1 ウクライナ危機が深刻化し、ロシアが「クリミア共和国」を国家承認、編入た。
ウクライナのヤヌコビッチ大統領転覆のクーデターと新政権の親欧州政策は、同国における親ロ派の不満を起こしました。ロシアが実効支配を進めるウクライナ南部クリミア半島での住民投票を受け、ロシアのプーチン大統領は3月17日、ウクライナからの独立を宣言した「クリミア共和国」を国家として承認、21日に編入手続きを完了しました。それ以降、ウクライナ東部では、蜂起した親ロ派武装集団とウクライナ政府側との戦闘が勃発。これにより、少なくとも4300人の市民や兵士らが死亡した他、およそ100万人が家を離れざるを得ませんでした。
2 ロシア、アメリカ、欧州との関係が冷戦後最悪となる。
クリミア半島がロシアに編入した後、アメリカと欧州諸国は、ロシアにウクライナ介入を告発すると共に、ロシアの石油、ガス、金融、国防分野に制裁令を導入し、ロシアとウクライナの幾人かの高官にビザ発給の停止を行ないました。ロシアの経済は制裁令により深刻な影響を受けています。その一方で、ロシアは、アメリカと欧州委員会からの農産物や、肉、ミルク製品などの輸入停止を実現しています。
3 ベトナム東部海域と東シナ海における領海主権紛争が引き続き緊張。
中国は、ベトナムの排他的経済水域に掘削措置を不法に設置したことや、ベトナムのチュオンサ群島における不法な要求に応えるために、自国の法律や 規定を発 効、実施したことにより、ベトナム東部海域、いわゆる南シナ海の状況はさらに複雑になってきました。中国の行動は国際世論から強く批判されました。一方、 中国と日本間の東シナ海における領海主権の紛争は深刻化しています。中国がこの海域に船舶と飛行機を相次いで派遣したからです。ミャンマーで開催されたASEAN諸国の外相閣僚会議はベトナム東部海域状況に関する宣言を出しました。アメリカ下院は、史上で始めてベトナム東部海域と東シナ海に関する決議を 採択しました。
4 アメリカとキューバが53年ぶりに国交正常化の再開を発表。
米国のオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長
(写真:ロイター)
アメリカのオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長は12月17日、1961年から断交状態にある両国の国交正常化交渉を進めると表明しました。今後相互の首都に大使館を設置する方針です。
5 国際社会は中東地域における勢力を拡大する「イスラム国」に深く配慮。
2014年に、世界各国は国際武装組織『アルカイダ』より凶悪なイスラム過激派組織『イスラム国』に対応しています。イスラム国には世界各国から戦闘員が集まり、資金も流入しています。イスラム国はイラクからシリアまで勢力を拡大し、大量殺人をした他、人質を殺害しました。アメリカと同盟国はイスラム国への複数の攻撃を行なったものの、いまだ効果が出ていません。
6 原油価格が45%下落。
原油価格は、6月の1バレルに当たり106ドルから12月中旬には60ドルへと45%も急落しています。IMF=国際通貨基金は、原油価格の下落は商品輸出国に打撃となるものの、世界経済全般にとってはプラスとの見解を示しました。また、IMFは2015年の世界経済の成長率を3・8%、うち先進国は2・3%、新興国は5・0%と予想しています。緩やかな景気回復がメインシナリオとなります。しかし、2014年末になり、にわかに暗雲が立ち込めています。
7 欧州の幾つかの地域が独立を求める。
イギリス北部スコットランドの400万人の有権者がイギリスからの独立を問う投票を行なった2ヵ月後に、スペイン北東部カタルーニャ自治州は、分離・独立の是非を問う「投票」を行いました。自治州政府は「民意調査」と位置づけますが、中央政府の訴えを受けた憲法裁判所が差し止めを命令している中での強行実施となりました。自治州政府は投票者数を増やし中央政府への圧力としたい狙いで、関係が悪化するのは必至となっています。
8 中国は引き続き汚職との戦いを強化。
中国の汚職との戦いは3年目に入りました。当初の統計によりますと、この戦いでは、50人あまりの政府高官と数千人の公務員が逮捕されました。中にも、中国共産党中央委員会政治局前常務委員の周永康(ジョウ・ユンカン)氏と徐才厚(ジョ・サイコウ)前中央軍事委員会副主席がいます。
9 世界航空と航行部門の事故が相次ぎ。
乗客乗員計239人が乗った北京行きのマレーシア航空機がクアラルンプールを離陸後に消息を絶ちました。同機はインド洋に墜落したとみられますが、機体は見つからず、事故の原因 は不明のままです。続いて、 アムステルダム発クアラルンプール行きマレーシア航空機がウクライナ東部の上空で撃墜され、乗客乗員計298人全員が死亡しました。また、西アフリカのブルキナファソからアルジェリアに向かう途中で消息を絶った乗客110人を乗せたアルジェリア航空の旅客機が、マリ北部の砂漠に墜落しているのが見つかりませんでした。そした、乗客乗員計476人を乗せた韓国の旅客船セウォル号が南西部の珍島沖で沈没し、修学旅行中の高校生ら295人が死亡、9人が行方不明になりました。
10 エボラ出血熱は近代歴史上最悪に。
致死率が極めて高いエボラ出血熱の感染が西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネを中心に拡大し、WHO=世界保健機関が緊急事態を宣言しました。WHOの集計では感染者数は1万8千人を超え、その中の死者はおよそ7000人を突破しました。有効な治療法が確立されていないため、世界で治療薬やワクチンの開発が進められています。