(VOVWORLD) - ベトナムの外交は「竹のような外交」だ。これは、世界各国の外交官がベトナムの外交について触れるならば、よく使われる表現です。「竹のような外交」はベトナムのダイナミックな発展に大きく貢献しているとされています。
ベトナム独自の「竹のような外交」の特徴
2021年12月にハノイで開催された第1回全国外交会議で、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、ベトナム独特の外交路線、いわゆる「竹のような外交」に関するメッセージを発信しました。チョン氏は、「竹は柔軟でありながらも強固で、暴風にも耐え、『勇敢・頑強・不屈』というベトナム民族の高貴な精神を示すものである。したがって、竹のような外交はホーチミン外交路線を継承し、民族文化の精華を活用するものである」と強調しました。
ブイ・タイン・ソン外相は、「竹のような外交」の特徴は、強固な根、丈夫な幹、柔軟な枝を誇る竹のようであると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「強固な根そのものは自力自強に関する伝統、および国と民族の利益で、党の思想基盤により導かれています。丈夫な幹は、全ての困難と試練に対応できる本領であり、国際社会の責任あるメンバーおよび信頼にたる友人となる用意がある、という独立・自主の全方位外交路線の中核部でもあります。そして、柔軟な枝は、自分のペースを乱さずにどっしりと構えることによって、あらゆる事態に対処するという意味をもつ「不変をもって万変に応ずる」ということです」
ベトナムの「竹のような外交」は海外の友人にはとても印象的なのだそうです。中国の国営の公共放送テレビ局「中国中央電視台」の記者魏為氏によりますと、「竹のような外交」は、「明確な政治的立場と、柔軟な外交方式」という表現で説明できるとしています。
一方、英国共産党の党員Kyril Whittaker氏は、ベトナムの「竹のような外交」は、原則を堅持しながら、大きく変化している世界に柔軟に対応し、今までの関係を発展させながら、新しい関係を築こうとしているベトナムの姿勢を示していると評価しました。
他方、インドネシアの東南アジア研究所の専門家Veeramalla Anjaiah氏は、「竹のような外交」はベトナムのダイナミックな発展に大きく貢献していると強調しました。
2022年10月11日、国連総会は、ベトナムを含む14カ国を2023 年~2025年期の国連人権理事会理事国に選出=TTXVN |
ベトナムの発展と国際統合に貢献
この2年、世界情勢が複雑に推移している背景の中においても、ベトナムは「竹のような外交」により、国際社会における威信を日増しに高まっています。ベトナムが2022年~2023年期の第77回国連総会副議長、2023年~2025年期の国連人権理事会理事国、2003年のUNESCO=国連教育科学文化機関の「無形文化遺産の保護に関する条約(無形文化遺産保護条約)」の2022年~2026年期の政府間委員会委員に選出されたことはその証です。
これにより、外交に関するホーチミン思想、および民族の伝統と文化を基盤とする「竹のような外交」は、ベトナム独自の状況に見合いながら、現段階における国の発展事業の要求に応えていると言えます。ソン外相は次のように語りました。
(テープ)
「情勢が複雑に推移すればするほど、原則を堅持しながら、柔軟な方策を取らなければなりません。これからも、ベトナムの外交部門は、絶え間なく心身を練磨し、「清潔・強靭・近代的・全面的・主体的な外交」づくりをめざし、党・国家・国民に委任された任務を全うするために全力を尽くしていきます」
複雑に推移している世界情勢を前に、「竹のような外交」は、国際社会に貢献しながら、国の発展事業を推進することができるものと期待されています。