ベトナム・ロシアの戦略的かつ全面的なパートナーシップを強化
(VOVWORLD) - すでにお伝えしましたように11月29日から12月2日にかけて、グエン・スアン・フック国家主席率いる代表団はロシア公式訪問を行います。これは両国の外交関係樹立71周年、戦略的なパートナーシップの設立に関する共同声明の調印20周年、そして戦略的かつ全面的なパートナーシップの強化に関する共同声明の発表10周年にあたり行われるものです。
ベトナムとロシアは70年あまりにわたり友好協力関係で結ばれています。フック国家主席が就任後、ロシアを最初の訪問国の一つに選んだことはロシアとの関係、中でもベトナム国民の友人としてのプーチン大統領に対するベトナムの党、国家、国民の重要視を示すとしています。
効果的かつ実質的な協力
これまで、新型コロナウイルス感染症が複雑に推移していますが、双方のオンライン会合や電話会談が維持されてきました。また、石油ガスをはじめ、あらゆる分野での協力が推進され、多くの成果が収められました。ロシアのガスパイプラインシステム運営会社であるガスプロム(Gazprom)や石油と天然ガス生産企業ロスネフチ(Rosneft)などはベトナムで複数の協力プロジェクトを行っています。一方、両国の石油ガス企業は液化電気や再生エネルギーなどの新たな分野に協力を拡大する計画を検討しています。
Bezdetko大使 |
在ベトナムロシア大使館のBezdetko大使は次のように明らかにしました。
(テープ)
「ベトナムはASEAN諸国の中でロシアの第1の貿易相手国となっています。2020年、双方の商取引額は57億ドルに達し、2019年と比べ、15%増となりました。また、年初からの9か月、この数字は47億ドルに達し、昨年同期と比べ、16%増となっています。昨年、ベトナムに対するロシアの投資プロジェクト9件が登録され、投資総額は9億4400万ドルを突破しました。」
2016年に発効されたベトナムとユーラシア経済連合の自由貿易協定のお陰で、ロシア企業はベトナムをはじめ、ASEAN諸国への輸出を拡大してきました。商工省の統計によりますと、現在、ベトナム企業900社あまりはユーラシア経済連合諸国に輸出しており、ロシアとの貿易の成長率は年平均30%に達しています。
経済協力の傍ら、軍事技術分野でもロシアはベトナムの重要なパートナーとなっています。さらに、両国は科学技術、教育、観光、草の根外交、地方の協力をも推進しています。かつて、旧ソ連で育成された4万人のベトナム人幹部、専門家、ロシアに在住している8万人のベトナム人、そしてロシアに留学しているベトナム人学生およそ5千人は両国関係の重要な架け橋としての役割を果たしつつあります。
新型コロナの初期段階ではベトナムはロシアにマスクや医療物資を贈呈した一方、ロシアはベトナムにワクチンや治療薬などを供与しました。
ロシアはベトナムをはじめ、ASEANとの関係を重視し、ベトナム東部海域(南シナ海問題)の紛争を国際法、とりわけ1982年国連海洋法条約に従って平和的措置で解決し、武力の行使または武力による威嚇をすることなく、DOC=海上行動宣言を完全履行し、COC=海上行動規範を早期作成するというベトナムの立場を支持しています。
新たな協力チャンスを切り開く訪問
両国の協力関係が順調に発展している中で、行われるフック主席のロシア訪問は重要な意義があり、現行の協力計画を推進すると同時に新たな協力チャンスを切り開くとしています。先ほどの在ベトナムロシア大使館のBezdetko大使は次のように語りました。
(テープ)
「高級レベルの訪問で両国の指導者は私たちの貿易メカニズムの強化と充実について具体的に協議するとともに、液化ガスの供給と使用、自動車組み立て、電力、財政・銀行など従来からの分野と有望分野での協力を強化していくよう希望します。また、国防・安全保障分野での協力の拡大やロシア大学でのベトナム軍人の訓練に注目しています。」
ロシアとベトナムの関係は従来から結ばれている友好関係であり、多くの試練を乗り越え、多くの分野で成果を収めてきました。フック主席の今回のロシア訪問は両国の友好と戦略的かつ全面的なパートナーシップの強化に貢献すると期待されています。