この訪問は9月のグエン・フ・チョン共産党書記長・国家主席によるロシア訪問に続き、行なわれ、両国の指導者が達成した合意書の実施を加速させるものです。

ベトナム・ロシア関係、あらゆる分野で発展

ベトナムとロシア関係は多くの波・風もありましたが、政治、経済、国防・安全保障、文化、科学、教育、医療、人道分野を中心にあらゆる分野で広範に発展しています。各レベルの訪問団の交換や戦略対話などを通じて、双方の政治的信頼が強化されつつあります。

去る9月、行なわれたグエン・フ・チョン党書記長・国家主席のロシア訪問は両国の全面的かつ戦略的パートナー関係の発展に原動力となると評されました。双方は政治分野での類似点をはじめ、それぞれの国と世界の諸問題について話し合いました。この訪問にあたり、工業、銀行、情報セキュリティに関する15件の協力合意書が締結されました。また、双方はベトナムとユーラシア経済連合の自由貿易協定に突破口をつけることで一致しました。同協定が発効されて、2年を経ちましたが、ベトナムとロシアの貿易額は2017年は35億5千万ドルでしたが、今年は9ヶ月だけで34億ドルに達し、2017年の同期と比べ、およそ37%増となっています。在ロシアベトナムのゴ・ドク・マイン大使は次のように語りました。

（テープ）

「ロシアは1億4千万人という大きな人口を抱えています。ベトナムがユーラシア経済連合とFTAを締結する最初の国となりました。これはベトナムの企業にとって大きなチャンスとなるでしょう。我々は熱帯フルーツをロシアに輸出する可能性があります。また、ベトナムの製品の質が日増しに高まり、ロシア人の需要に応えています。さらに、ロシアに在住しているベトナム人の数は多く、ロシア文化に明るいので、両国の架け橋としての役割を果たしています。」

この数年、両国の各地方間の関係も実質的に発展し、貿易、投資、文化、教育分野での協力が重視されています。教育に関し、ロシア政府はベトナム人の学生およそ1千人に奨学金を支給しました。また、観光、文化、草の根外交分野での協力が推進されてきました。両国では文化週間、展示会、シンポジウムなどの活動が頻繁に行われています。ただ、両国は多くの協力の潜在力をまだ十分活用していないと指摘されています。ベトナム水産物加工・輸出協会のチュオン・ディン・ホエ事務局長は「水産分野はその一つである」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「ロシアが水産物に恵まれているのに、同分野における両国の協力は推進されていません。一方、ロシアへの輸出基準を満たす企業を増やすことが重要な課題となっています。」

ベトナムとロシア関係に原動力をつける

ベトナムが常にロシアを対外政策の重要なパートナーと見なす一方、ロシアもベトナムを東南アジア地域における第一の相手国に位置づけています。両国は双方関係を強化、拡大する意向があります。メドベージェフ首相による今回のベトナム訪問は両国の全面的かつ戦略的パートナー関係を深化させ、政治と経済分野において進展を見せることが狙いです。