(VOVWORLD) -チョン書記長による中国公式訪問は二国関係の位置と基盤を明確にし、相互信頼を深化させ、次の段階における両国関係の発展を調整することです。
チョン書記長と習総書記による会談
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ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、中国の習近平党総書記兼国家主席の招きに応じて、10月30日から11月1日まで中国を公式訪問しました。この訪問は、ベトナムと中国との伝統的友好・団結の発揮、新時代におけるベトナムと中国の包括的な戦略的協力パートナーシップの推進と深化に貢献するとされています。
チョン書記長による中国公式訪問は二国間関係の位置と基盤を明確にし、相互信頼を深化させ、次の段階における両国関係の発展を目指すものです。
二国間関係の長期的な協力関係の方向性を示す
この訪問は、両党、両国にとって特別に重要な政治的外交的行事となっています。中国の指導者らは、この訪問の特別な意義を高く評価しています。チョン書記長は、第20回中国共産党大会直後に中国を訪問する最初の外国指導者であり、また、第13回ベトナム共産党大会後に中国を最初の訪問先に選んだのです。
この訪問にあたり、双方はベトナムと中国との包括的な戦略的協力パートナーシップの強化・発展に関し、共同宣言を発表しました。共同宣言は全ての分野における両国関係の発展に向けた戦略的方向を含む13の項目から構成されており、「善隣友好、包括的協力、長期安定、未来志向」という指針、および「良い隣国、良い友人、良い同志、良いパートナー」という精神に従って、ベトナムと中国との包括的な戦略的協力パートナーシップを強化、発展させることで一致しています。
また、双方は、ベトナムの農・林・水産物の市場開放プロセス、中国駐在ベトナム貿易事務所の開設の促進や、投資、経済、貿易、陸・空・鉄道輸送などの分野における両国企業の協力強化に望ましい条件を提示する用意があることにも合意しました。そのほか、ベトナムと中国は、両国間の貿易不均衡是正に努力する決意を示しました。
中国人民大学の劉瑞教授は次のように語っています。
(テープ)
「ベトナムは東南アジア地域における最大の市場潜在力を持つ国です。ベトナムは発展途上国の中で経済が急速に発展している国でもあります。このような背景の中で、両国には経済開発の協力を推進する多くのチャンスがあることでしょう」
チョン書記長と習総書記が13件の協力合意書等の調印式に立ち会いました。 |
この機に、ベトナムと中国の省庁、地方の代表は、合計で13件の協力合意書、覚書などを締結しました。
チョン書記長の中国訪問の成果を展開する
チョン書記長による中国公式訪問はあらゆる面で成功しました。ベトナムのブイ・タイン・ソン外相によりますと、チョン書記長と習総書記の共通認識とこの訪問の成果を展開するためには、双方は、各レベルの代表団の頻繁な交流を早期に行い、両国関係に関わる重要な問題や方向などを共有する必要があるということです。また、両国は、経済・貿易・投資などの分野における協力の効果を向上させることも重要だとしました。
ソン外相は次のように語りました。
(テープ)
「双方は、両国間の貿易不均衡問題を軽減するために適切な措置を導入し、物資の通関手続きに便宜を図り、両国間の生産活動の安全・安定を促進するとともに、円滑な供給を維持し、高品質な農産物、食品の輸出入を促すことになります。同時に、陸・空・鉄道輸送を推進します。そのほか、農業、環境、科学技術、医療などの分野において協力を強化し、食品安全保障、水資源安全保障を確保し、グリーン成長、気候変動対応、デジタル経済などの分野における連携を検討し、陸上国境の管理、平和かつ友好・協力・発展の国境線を建設し続けます」
ベトナムと中国は、海上の領有権を巡る対立を検査し、適切に処理するとともに、ベトナム東部海域(南シナ海)と地域内の平和で安定した環境を維持していきます。双方は、ハイレベル間の共通認識を持ち、合法的かつ適正な利益を互いに尊重し、国際法に則て、あらゆる紛争や対立を平和措置で解決し、ベトナム・中国間の国境画定・領土問題に関する政府レベルの交渉、および海上問題担当作業部会のメカニズムを効果的に活用し続け、ASEAN=東南アジア諸国連合加盟諸国とともに国際法、とりわけ1982年国連海洋法条約に従って、DOC=海上行動宣言を十分かつ効果的に実現し、COC=海上行動規範を早期に作成することになっています。
中華人民共和国は72年前に、ベトナム民主共和国(現在はベトナム社会主義共和国)と外交関係を樹立した世界初の国です。それ以来、両国は、互いに支持、支援し合い、それぞれの革命事業の成功に貢献してきました。ハイレベル間の共通認識とチョン書記長による中国公式訪問の成果を十分かつ包括的、効果的に展開することにより、ベトナムと中国との関係は今後も更に力強く発展していくでしょう。