(VOVWORLD) - ベトナムは海岸線の長さが3260キロにのぼり、チュオンサとホアンサの両群島を含む3000以上もの大小の島があります。特に、ベトナムの領有権に属する海域は100万平方キロメートルであり、本土の面積の3倍に相当しています。
ベトナムは海洋資源面で、多大なメリットと潜在力があります。国内の63地方の中の28地方は沿岸にあり、国の総面積の42%、人口の45%を占めています。2018年10月22日、第12期党中央委員会第8回総会は決議第36号を採択し、その中で、海洋と海洋経済の重要性を確認し、2030年までの海洋開発戦略と2045年までのビジョンを定めました。
ベトナムは海岸線の長さが3260キロにのぼり、チュオンサとホアンサの両群島を含む3000以上もの大小の島があります。特に、ベトナムの領有権に属する海域は100万平方キロメートルであり、本土の面積の3倍に相当しています。
海洋経済開発のための多大な潜在力
ベトナムの海は石油ガスをはじめ35種類の鉱産物があります。また、1万1000種類以上の動植物が生息し、生物多様性が保たれています。海と島はベトナムに大きな利益をもたらしています。2022年、ベトナムの原油生産量はおよそ1100万トンに、そして、海産物の水揚げ量は900万トン以上に達しました。
ベトナム漁業協会のチュ・ホイ会長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「沿海各地方の2022年とその数年前の経済成長率や、GRDP=域内総生産の伸び率などから見れば、海洋経済が重要な役割を果たしていることがわかります。また、海洋再生可能エネルギーも急速に発展しています」
また、ベトナムは125か所の美しいビーチに恵まれ、海洋観光の面で大きなメリットがあります。現在、海洋観光はベトナム観光部門の1年の売上の70%を占めています。同時に、海運もベトナムの大きなメリットです。海岸沿いには深水港を建設可能な場所が10か所あります。これまで、ベトナムは30か所の港湾18か所の沿岸経済区を建設してきました。海運のメリットを活用するため、ベトナムは26カ国と通商航海条約を結んできました。
海洋開発の促進
こうした中、党中央委員会の決議第36号は、ベトナムを海洋経済が発達した国に発展させるための具体的な目標を設定しています。これらは国の持続可能な開発や、繁栄、安全保障などを目指しています。この決議に関し、国会科学・技術・環境委員会のタ・ディン・ティ副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「海洋・島しょ開発に関し、党中央委員会は決議第36号を採択し、その中で、3本柱を定めました。一本目は経済・社会・環境。二本目は国防・安全保障。三本目は外交と国際協力です。これは新しいアプローチ方法で、包摂性があります」
決議第36号には、2030年をめどに海洋経済が国のGDP=国内総生産の10%を占めること、28の沿岸地方の経済が全国のGDPの65%~70%を占めること、海洋経済に属する各経済セクターが国際基準に従って持続可能な発展を遂げることなどが目標として盛り込まれています。
党中央機関の科学評議会のグエン・バン・フック副議長は次のように分析しています。
(テープ)
「この決議は重要な意義があり、党をはじめ政治システム全体の認識を基本的に変化させました。また、海洋経済開発事業に突破口を切り開きました。これは海洋経済の持続可能な開発に基礎を作り出すものでもあります」
決議第36号はベトナムを海洋経済が発達した国に発展させるという目標の実現プロセスにテコを入れるものとみられています。特に、海洋経済開発だけでなく、気候変動や、海面上昇、海洋環境汚染への対応作業にも役立つと評価されています。決議第36号を実施するこの5年間に収められた成果はその証であるといえるでしょう。