(VOVWORLD) - 首都ハノイを含めるホン川デルタは政治はもちろん、経済、文化、社会、国防安全保障などの面でも戦略的な地位を占めています。
既にお伝えしましたように、12日、東北部クアンニン省で、「開発の連携、イノベーショングリーンかつ持続可能な開発を目指す」と題した2030年までのホン川デルタの社会経済開発と国防・安全保障、および2045年のビジョン」に関する党政治局決議30号に基づく政府の行動計画が展開され、同地域への投資を促進する会議が行われました。会議では、ホン川デルタを、全国をけん引する地域にするという方針が打ち出されました。
会議の様子 |
ベトナム北部に位置するホン川デルタはハノイ市やハイフォン市、バクニン省、クアンニン省など11の省と市で構成されており、その総面積は1万4800平方キロメートルで、南部メコンデルタに次ぐ第2のデルタです。この地の人口は2160万人で、ベトナム人口の22.1%を占めています。首都ハノイを含め、同デルタは政治はもちろん、経済、文化、社会、国防安全保障などの面でも戦略的な地位を占めています。
ホン川デルタ 全国をけん引
政府の行動計画には、ホン川デルタが早急かつ持続可能な発展をとげ、適切な経済構造を整備するとともに、近代的な産業・サービス業、ハイテクかつオーガニックで循環型の農業を有する地域となるという目標が設定されました。また、全国を代表する質の高い人材の育成センターであり、科学技術開発、イノベーション、デジタル経済、デジタル社会、近代的でスマートな都市部の構築、環境汚染の解決でリードする地域でもあるとしています。
計画には社会経済、環境に関する21の具体的な指標が定められ、これらの指標では、2030年までにGDP=国内総生産の伸び率は年平均およそ9%、一人当たりの域内総生産は年平均およそ2億7400万ドンに達し、労働生産性の増加率は7%を超え、多次元基準による貧困率は年平均およそ1.5%減、温室効果ガス排出量はおよそ9%減となるとしています。
会議で発言に立ったファム・ミン・チン首相は、同地域の早急かつ持続可能な開発を目指し、地元の潜在力と資源を最大限に活用し、ハードインフラとソフトインフラ、デジタルトランスフォーメーション、グリーン転換、循環経済、知識経済の開発、気候変動対応、環境保護に注力しなければならないと強調しました。また、実状を即した、適切な対応策をとると同時にあらゆるリソースを活用し、人材の質を向上させ、文化的価値の保存・活用にも取り組む必要があるとしています。
一方、計画投資省のグエン・チ・ズン大臣は、ホン川デルタの役割を強化するために、同地域のインフラ整備を加速する必要があると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「引き続き国の重点経済地域の開発を進め、その中で、国の政治・経済・文化・教育・科学技術の中心地であるホン川デルタを、全国をけん引する地域にする必要があります。そのため、ホン川デルタの開発に対し全てのリソースを最大限に活用し、中でも、波及効果の高いインフラの整備に集中しなければなりません。特に、ホン川デルタとほかの地域とのコネクティビティ、ならびにホン川デルタ内の各地方間のコネクティビティを強化するために、高速道路や幹線道路、環状道路、港、空港、鉄道などの整備を進めていきます」
ハノイを流れるホン川 |
ホン川デルタの開発を目指すいろいろな対策
12日の会議で、関連省庁と地方はホン川デルタの開発を目指す様々な対策を提案しました。その中で、労働傷病軍人社会事業省のダオ・ゴック・ズン大臣は労働市場の開発はホン川デルタの開発に不可欠であると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「労働力の開発を最優先課題にしなければなりません。中でも、質の高い人材の育成に力を入れる必要があります。また、大学教育と職業訓練、および就労斡旋サービスを充実させるとともに、国内のほかの地域、およびほかの国の労働市場とのコネクティビティを強化しなければなりません」
一方、ホン川デルタを原動力とするスマートシティ ハノイの建設や、ハイフォン市の海洋経済の持続可能な開発を目指すこと、ハナム省でAI人工知能や自動化、バイオテクノロジーなどのハイテク産業を開発することなど、複数の提案が打ち出されました。
第13回党大会は2030年までの社会経済開発戦略と2045年までのビジョンを打ち出し、その中で、ベトナムが2030年までに近代的な産業を有する高位中所得の発展途上国となり、2045年までに、高所得の先進国となるという目標が設定されました。この目標を実現させるために、ホン川デルタはけん引役を十分に果たすことが期待されています。