(VOVWORLD) - ベトナムの社会保障システムは、持続可能な貧困解消や、職業教育、雇用、社会・医療保険などから構成され、各種基本的な社会サービスも対象としています。
国際社会への参入事業と経済・社会開発事業の成果はベトナムの社会保障の確保に好ましい条件を作り出しています。第4次産業革命や、気候変動、高齢化社会が影響を与えている中で、ベトナムは人間開発のために社会保障システムの効果向上に取り組んでいます。
ベトナムの社会保障システムは、持続可能な貧困解消や、職業教育、雇用、社会・医療保険などから構成され、各種基本的な社会サービスも対象としています。
(写真:Trần Việt/TTXVN) |
社会保障事業の成果
この数年間、ベトナムは体制完備事業において、大きな成果を収め、社会保障の範囲拡大の基礎となっています。ベトナムは2021~2030年期の社会経済開発戦略において、2030年をめどに上位中所得国に、そして、2045年に高所得国になるという目標を設定しました。また、2022年1月1日から、退職者を対象に退職給与や、社会保険の補助金、社会手当を7.4%上げました。
2020年と2021年に、新型コロナウイルス感染症が国民に大きな困難をもたらしていたことから、政府は前例のない多くの支援措置をとりました。その中で、低所得者や、失業者などは優先対象と見なされていました。効果的な政策と措置により、ベトナムの社会保障システムが徐々に拡大されています。
労働・社会科学研究所のブイ・トン・ヒェン所長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「ベトナムは多くのミレニアム目標を期限よりも早く達成し、人間開発指数を改善してきました。これは経済社会開発や、環境保護、国民の物心両面の生活水準の向上に寄与しています。社会保障システムや、社会サービスシステムなども徐々に完備されています。したがって、学習や、医療、住宅、情報通信、浄水などに関する国民の基本的な権利が確保されるようになっています」
実際、社会保障分野におけるベトナムの成果は国際社会から好評を得ています。UNDP=国連開発計画によりますと、2021年にベトナムのHDI=人間開発指数は前回と比べ、2ランクアップしました。また、ベトナムの多次元貧困率は4.4%に下がったとしています。
労働・社会科学研究所のブイ・トン・ヒェン所長=Mai Giang/ tapchicongsan.org.vn |
包括的かつ持続可能な社会保障システムの構築
今後、ベトナムは社会保障面で、グローバルリスクや、環境、気候変動、急速な高齢化などによる試練に直面する見通しです。こうした中、ベトナムは包括的かつ持続可能な社会保障システムの構築を優先課題と見做しています。先ほどの労働・社会科学研究所のブイ・トン・ヒェン所長は次のような見方を示しています。
(テープ)
「全国民を対象に社会保障システムを構築する必要があります。また、低所得者の支援も重要な課題です。彼らは困難を乗り越えるため、社会の支援を必要としています。今後の試練と課題を発見・特定し、その解決策を講じる必要があります」
2021~2030年期における国の開発路線に関し、第13回ベトナム共産党全国代表大会決議は、「社会政策を効果的に実施し、社会保障と社会福祉を確保し、国民の生活を改善していく」と明記しています。
この目標達成を目指し、ベトナムは社会保障システムの完備に力を入れています。このシステムが迅速に拡大し、国の開発事業や、『誰一人取り残さない』という目標の実現に貢献していくことが期待されています。