WTO=世界貿易機関によりますと、ベトナムは全国民上げての医療保険加入の実現に向け、多くの進歩を遂げてきたとしています。また、医療保険制度への加入率や同分野に対する融資は急増しつつあり、貧困解消や持続可能な発展に切実な貢献をしています。
全国民上げての医療保険制度の実現を討議する会議
2014年末現在、医療保険への加入率は人口の71.6%に達し、政府が打ち出した70%という目標を上回りました。また、北部山岳地帯の7省と中部ダナン市の加入率は人口の9割を超えています。医療保険基金は貧困者や困難な状況にある地域の少数民族出身の住民などを対象に診療治療費100%を負担しています。
全国民上げての医療保険制度、人文的意義と公平な社会を示す
2014年、医療保健機関が収めた54兆ドン、約3千億円の中で、21兆ドン、約1167億円は貧困者や貧困ラインに近い人々などを対象とする予算に計上した補助金です。保健省によりますと、ベトナムはガン患者や戦没者の遺族、革命功労者などに対し、診療治療費のほとんどを負担する数少ない国の中に入っています。また、一般の患者は多くとも診療治療費の20%まで支払います。こうした中、農、林、漁業、塩生産に携わる人々に対しては医療保険料の30%が支給されます。先頃、ハノイで行われた医療保険法案と2012年~2015年期、また2020年までの全国民上げての医療保険制度の実現計画に関する会議で、グエン・タン・ズン首相は「全国民を対象とした医療保険は国民が貧富を問わず、同様の診療治療を享受するよう、確保するための重要な主張であり、人文的かつ公平な社会を示すものだ」と強調しました。また、ズン首相は各部門と地方に対し、全国民上げての医療保険の実現を加速するよう求め、次のように語りました。
(テープ)
「今年の加入率は75%、2020年までに80%達成を目標に取り組みます。また、診療治療の質を向上させ、上質の医療サービスを購入するとともに、対象者を拡大し、医療費を削減する必要があります。これは人間の命と健康にかかわるものなので、極めて重要な任務となっています。我々の最終の目的は人間であるからです。」
全国民を上げて目標通りの医療保険制度実現へ
このように語ったズン首相は医療保険への加入率は人口の71%に達したことや、医療保険料は最低賃金の1.5%から4.5%に引き上げたことは全政治システムの大きな努力を示した。これにより、貧困者をはじめ、全国民は上質の医療サービスを享受できるようになる。ズン首相は保健省に対し、全国民が医療保険に加入するよう、法律文書の点検、改正を進めること、各地方に対し、保険料の30%の補助を受ける中所得者や保険料の70%の補助を受ける貧困ラインに近い人々に残りの保険料を出し、医療保険に加入するよう激励することを求めました。ズン首相は次のように語りました。
(テープ)
「最も重要なことは、各レベルの党委員会、行政、祖国戦線、団体が引き続き全国民あげての医療保険に関する認識と責任感を高めるということです。例えば、農民協会は、宣伝活動を行うと同時に、医療保険の代理店としての役割を果たすのが良いのではないでしょうか。また、農民協会や婦人協会は貧困世帯に貸し出しを提供するグループを設立する必要があります。」
2012年~2015年期、また2020年までの全国民上げての医療保険制度の実現計画の実現とともに今年1月1日に発効した医療保険法は国民、中でも医療保険への加入者や貧困者、少数民族出身者に切実な利益をもたらしています。ベトナム社会保険・医療保険政策委員会のファム・ルオン・ソン委員長は次のように語りました。
(テープ)
「医療保険法改正案には少数民族の人々に利益を与える多くの改正が盛り込まれました。第1、新しい規定によりますと、彼らは一定の範囲内で、診療治療費の100%を補助されます。以前は5%を支払わなければなりませんでした。第2、困難な状況の地域に住む貧困者や少数民族出身者が省や中央レベルの病院で診療治療を受ける場合、費用の100%を補助されることになります。」
今月中、ズン首相は関係各省庁、地方に対し、医療保険法と全国民上げての医療保険制度の実現を加速するよう求める指示を出します。また、保健省に対し、医療所の診療治療の質を向上させる措置を集中的に実施し、国民に信頼感を与え、医療保険への加入者を増やすことが狙いであるとみられます。