20日にハノイで行われた第14期国会第2回会議の開幕式で、グエン・スアン・フック首相は政府を代表して、今年の経済社会状況と来年の計画に関する政府の報告を読み上げ、その中で、「多くの困難にもかかわらず、ベトナムはあらゆる分野で重要な成果を収めている」と明らかにしました。また、「政府は、国会が出した目標達成のために全力をあげて取り組んでいく」としています。
2016年、ベトナムは多くの問題に直面しています。中でも、東部海域(いわゆる南シナ海)での複雑な動き、気候変動による被害、自然災害、中部沿海での環境汚染など国の経済全体に深刻な影響を与える問題があります。しかし、全党、全軍、全国民の努力により、多くの重要な成果が収められています。
2016年:マクロ経済が安定
今年、政府は、金融政策をはじめ、多くの措置を同時にとっており、インフレ抑制や、マクロ経済の安定の維持、経済成長の促進を図っています。CPI=消費者物価指数は4%に抑えられ、不良債務が効果的に処理されたほか、経済活動への貸出額が11・24%増加し、外貨準備高が400億ドルに達し、金価格や、外貨の為替相場が安定しており、歳入が2・4%増加しているということです。
また、政府は企業の困難解決と経済成長促進に力を入れています。今年1月から9月に新規設立した企業の数は8万1000社、そして、活動を再開した企業の数は2万社に上っています。しかし、問題点もあると指摘されています。具体的には、GDP=国内総生産の伸び率が6・7%という目標値を下回る可能性があるとしています。
今年の経済状況に関し、フック首相は次のように評価しています。
(テープ)
「多くの困難と弱点がありますが、ベトナムの経済社会状況は引き続き好転し、あらゆる分野で積極的な成果を収めています。マクロ経済が安定し、インフレが抑制され、民間セクターが大きく発展し、社会と市場の信頼度の向上に繋がっています。特に、多くの地方は自らの努力により、困難を乗り越えて、迅速に発展しています。」
2017年:GDPが6・7%に
政府は、マクロ経済の安定と経済全体の均衡の確保を優先課題として見なしています。したがって、政府は金融政策を他の政策と結び付け実施していきます。これに関し、フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「柔軟な金融政策を実施し、銀行金利をマクロ経済や、金融市場、インフレの動きに見合うように調整します。農業や、農村、輸出、中小企業支援、すその産業、ハイテク応用をはじめ経済活動への貸し出しを確保しながら、その質を向上させます。」
さらに、政府は国家予算の使用の管理や、財政政策の実施を強化していく一方、発展事業へのあらゆる財源を集め、特に、インフラ整備への外資系企業の投資を奨励する方針です。フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「貿易振興を促進させ、輸出市場拡大とベトナムの製品のトレードマークづくりを両立させます。輸出入手続の簡素化を進め、国家ワンストップ制度を効果的に実施し、ASEAN経済共同体とFTA=自由貿易協定のメリットを活用します。」
一方、経営投資環境の改善も引き続き重要な任務として見なされています。これに関し、フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「中小企業支援法案を国会に上程するほか、中小企業を対象とする融資保証規定を改正します。また、経営・投資活動に関する法律を効果的に実施します。経営・投資環境の改善と競争力の向上に関する19号決議を積極的に展開します。」
このように語ったフック首相は、「2017年、国内外の情勢は引き続き複雑に推移する可能性があるが、政府は国会が出したすべての目標の達成のために尽力していく」と確約しました。