国家総合マスタープラン 国の開発事業に大きな弾みをつける
(VOVWORLD) - 先ごろ、政府は「2021年~2030年期の国家総合マスタープランと2050年までのビジョン」草案をハノイで開催中の国会会議に提出し、承認を求めました。これに先立つ今月上旬、第13期ベトナム共産党中央執行委員会の第6回総会においてこの草案についての討議がなされました。
国家総合マスタープランでは、国が発展する余地(いわゆる発展空間)が整理・整頓され、2045年までにベトナムが高所得の先進国となるという第13回党大会決議の目標の実現を目指します。2021年~2030年期の国家総合マスタープランを作成する際の終始一貫した立場は、国が省庁の縦割り組織の壁を超えて、挙国一致で発展し、国のすべてのリソースが国益のために効果的に動員・活用されるということです。これについて計画投資省のグエン・チ・ズン大臣は次のように語りました。
(テープ)
「これは、ベトナムの開発事業の現状を評価し、達成したことと、未達のこと、およびその理由を明確にした上で、国の発展空間を総合的かつ統一して整理・整頓する機会です。これにより、国の開発方向を具体化させ、国の発展空間とそのロードマップ、および開発事業に必要なリソースを確立することができます。これを通じて、ベトナムは、直面する試練を乗り越え、チャンスとメリットを活用し、迅速かつ持続可能な開発ができるでしょう」
ズン大臣によりますと、国家総合マスタープランは、全てのリソースを効果的に活用して国の競争力を高めるために、各地のコネクティビティを確保しながら、国の挙国的な発展空間を構築するという原則に基づいて作成されました。それと同時に、地理的条件や社会経済インフラ、人材などの面で優位性のある地方に集中し、これらの地方を国の経済成長の原動力へと押し上げます。そして、国、ならびに各地区・経済回廊・都市部の発展空間を整理・整頓する際、近代的で統一されたインフラの整備、都市部と農村部とのつながり、大陸と海洋とのつながりを強化する必要があります。さらに、社会経済開発と国の主権・領土保全を両立させ、国際統合を効果的かつ実質的に進めていくとしています。
今回の草案は、国のインフラシステムの充実を優先課題とし、その中で、交通インフラ、都市部のインフラ、エネルギーインフラ、デジタルインフラ、環境保護向けのインフラ、防災インフラに集中しています。また、経済構造の転換を加速し、ベトナムの得意分野、または発展余地が大きい分野とされる複数の分野を優先的に発展させる方針です。そして、南北縦断と東西横断経済回廊を構築し、国境検問所・港湾・大都市・経済地区のコネクティビティを強化するとしています。国家総合マスタープランについてファム・ミン・チン首相は次のように語りました。
(テープ)
「国家総合マスタープランは革新的な思考と戦略的な視野を必要とします。革新的な思考によってリソースと原動力を作り出す一方、戦略的な視野では大きな潜在力とチャンスを特定することができます。これにより、私たちは自らの力を最大限に発揮できます。自らの力が決定的な要素なのです」
国際的経験からすると、ある国が迅速かつ持続可能な開発を目指すためには、正しい開発方向性、それに必要な方法やリソース、原動力、タイムラインなどを特定することが重要です。国家総合マスタープランはそれらを明確にするものです。そのため、「2021年~2030年期の国家総合マスタープランと2050年までのビジョン」はベトナムの開発事業を一段と加速するための重要な基盤と適切な環境を作り出すと期待されています。