ファム・ビン・ミン副首相兼外相
2016年に入り、チャンスと共に試練がやってきました。ベトナムはASEAN共同体への参入をはじめ、二国間や多国間自由貿易協定の締結を通じて世界経済への参入を進めています。また、今年、ベトナムは国内企業の参入に有利な条件を作り出すと同時に安定した環境の維持に力を入れてゆく方針です。
グローバル化が進み、各国間の相互依存度が高まっている背景の中で、国際社会への参入は必至の選択肢となっています。こうした事情を踏まえ、ベトナム外交部門は世界の動きを見守った上で、国際社会での国の地位向上に全力をつくしてゆくとしています。
地域への参入、安定的な環境作り
ASEAN共同体が正式に発足しました。これは加盟10カ国にとって重要な出来事であり、人口およそ6億3千万人に利益をもたらすと期待されています。ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は、「この出来事は20年間にわたり、ベトナムがASEANの積極的かつ責任あるメンバーとして活躍してきたことによる成果でもある。ASEAN共同体の成立はそれぞれの加盟国の発展に平和かつ有利な条件を作り出す」との見解を示しました。
ミン副首相兼外相は次のように語りました。
(テープ)
「最も有利なのは各国の国民に平和かつ安定した環境をつくるとともに各国が責任を分かち合うことが図られるということです。また、政治、安全保障分野での協力体制により、友好な環境が確保され、万一問題が発生する場合、適切な解決策が取られます。ASEAN共同体は短期的かつ長期的な利益をもたらしますが、加盟各国の国民がこれらの利益を実感できるよう、どうすればいいのかが我々の課題となっています。」
ASEAN共同体は発足しましたが、ベトナム国民と企業は共同体への認識は向上していません。先頃、行われた調査結果によりますと、国内企業の63%はASEAN経済共同体は自社の生産経営活動にあまり影響を与えないと答えています。
ファム・ビン・ミン副首相兼外相は次のように語りました。
(テープ)
「ASEAN共同体から得られる利益を活用しなければ、さらなる試練に直面するでしょう。今年、企業に対して、提携先との協力の拡大を支援すると同時にASEAN共同体の宣伝を促進させ、ASEAN経済共同体への国民、企業の認識向上することが狙いです。」
先頭に立つ外交部門
2015年、外務省と国外駐在外交代表機関は国内外の企業間の情報結合や投資貿易新興フォーラムの開催などを通じて、国内企業に対し、各国との関係の強化を積極的に支援してきました。また、企業の生産経営や投資活動の拡大をも後押ししました。
他方、2015年、ベトナムはマレーシアとの関係を戦略的パートナー関係に格上げしました。これにより、15カ国と戦略的パートナー関係、11カ国と全面的パートナー関係を結んでいます。これらの国は重要なパートナーであり、ベトナムの貿易額の80%を占めています。
ミン副首相兼外相は次のように語りました。
(テープ)
「新たな段階に入ったベトナムは国際社会への参入を進める決意を固めました。また、外交関係を深化させ、従来からの友好国や主要なパートナーとの関係を発展させていきます。さら、多国間外交路線を堅持し、ASEANの主体的で積極的かつ責任のある加盟国としての役割を発揮するとともに他の国際組織との関係の強化に尽くします。」
今年、ベトナムは全面的な参入を進め、各国との関係を拡大すると同時に国際社会の責任あるメンバーとして国際問題の解決に積極的に参加する姿勢を整えています。