少数民族の人々を対象とする土地政策

(VOVWORLD) - ベトナムの土地法は数回にわたり改正されてきましたが、今回の改正で、困難な状況にある地方の住民や、少数民族の人々への土地引き渡しに関する政策を明確に定めました。

国会議員らによりますと、これは少数民族居住地での住宅用地と生産用地の不足問題の解決に貢献し、少数民族の人々の生活改善や、少数民族居住地での経済社会開発にも役立つとしています。

第15期国会第5回会議で行われた閣僚らによる質疑応答で、議員らは、少数民族居住地での住宅用地と生産用地の不足問題を指摘しました。統計によりますと、2019年末現在、住宅用地と生産用地を必要とする少数民族の人々の世帯数はそれぞれ2万4000戸と4万3000戸ということです。

少数民族居住地での住宅用地と生産用地の不足問題を解決

こうした中、第13期ベトナム共産党中央執行委員会第5回総会の決議18号は少数民族居住地での住宅用地と生産用地の不足問題を根本的に解決するという目標を設定しました。この決議における効果的な実施を目指し、党政治局は各省庁、機関、団体、地方に対し、具体的な措置をとるよう要請しました。これに関し、党中央人事委員会のチュオン・ティ・マイ委員長は次のように述べています。

(テープ)

「土地に関する効果的な政策がなければ、少数民族の人々の土地不足問題を解決することはできません。これは少数民族の人々にマイナス影響を与えます。土地法改正案に盛り込まれている少数民族居住地での住宅用地と生産用地に関する規定を具体化させなければなりません」        

土地法改正案は、困難な状況にある地方の少数民族の人々の住宅用地と生産用地を確保することを規定しています。また、少数民族の人々への土地引き渡しとその関連手続きや、少数民族の人々への土地引き渡しの手順における禁止行為なども具体的に定めています。これに関し、レー・ミン・ガン天然資源環境次官は次のように明らかにしました。

(テープ)

「1つ目は、少数民族の人々への土地引き渡しを担当する機関がこの政策の対象者でない人々に土地を引き渡すことを禁止します。2つ目は、引き渡された土地を貸すまたは売ることを禁止します。3つ目は、この政策の対象者でない人々が土地引き渡しを受けることを禁止します」

少数民族の人々の条件・習慣・文化に合致

また、土地法改正案は、少数民族の人々に引き渡される土地に関する権利承継も規定しています。これによりますと、土地引き渡しを受ける人々の親戚はその土地を受け継ぐ権利があるということです。さらに、生産用地の面で少数民族の人々に有利な条件を作り出す政策も定めています。現在、国会は土地法改正案の完備を積極的に進めています。北部山岳地帯トゥエンクアン省選出のマー・ティ・トゥイ国会議員は次のように述べています。

(テープ)

「貧困世帯と貧困に近い世帯をその対象者リストに追加することを提案します。2つ目は少数民族の人々の数が多く特別困難な状況にある地方を特定することです。少数民族居住地にある貧困世帯と貧困に近い世帯を取り残さないように調整する必要があります」

国会議員らによりますと、困難な状況にある地方の住民や、少数民族の人々への土地引き渡しに関する政策は少数民族居住地での住宅用地と生産用地の不足問題を解決するだけでなく、貧困解消と人々の生活改善にも貢献します。特に、土地法は発効後には、少数民族居住地での経済社会開発や、安全保障と社会秩序の確保にも役立つとしています。

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