(VOVWORLD) - 山間部や国境地帯の村では、多くの学生が幼い頃に家族を離れ、学習の夢をかなえるために寄宿学校に暮らしています。親がいないにもかかわらず、子どもたちは食事から睡眠まで教師の世話と愛情を受けています。
北部山間部のバクカン省パクナム県アンタン村の小中学校は少数民族の子どもを対象とした寄宿学校です。この5 年間、学習はもちろん、日常生活に関する先生たちの優しい言葉や指導が、同学校の生徒ホアン ホン タムちゃんにとって馴染み深いものになりました。
家が遠かったので、小学3年生からは学校の寮で生活を送っています。学校では教師が生徒たちの食事の世話をするほか、毛布のたたみ方や衛生管理、授業外の復習などを指導しています。タムちゃんたちにとって、先生たちは、親でもあります。タムちゃんの話です。
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「ここの学習環境はとても良く、先生たちは私たちのことを本当に気にかけてくれています。私が病気のときに、先生たちは第二の親のように気遣ってくれたという思いがしました」
山の奥にあるアンタン村は道も険しいため、生徒たちに1日3回にわたってきちんとした食事を与えるのは、各教師にとって大きな努力が求められます。また、小中学校なので、年齢により精神的にも生理学的にも変化が異なる生徒たちをケアすることもさらに難しい課題です。例えば、小学校1、2年生にとっては、教師は親のような存在でなければなりません。しかし、中学校3、4年生にとって、教師は友人のような存在でもあり、生徒のそばにいて考えなどを分かち合う必要があります。アンタン村の小中学校の教師ズオン・ティ・フォンさんは次のように語りました。
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「生徒たちは、小学校1 年生から全寮制で学校に暮らしています。そのため、教師は彼らを励まし、家に帰りたくないときは慰め、家に電話して両親と話をさせなければなりません。特に年少の生徒たちに、毛布のたたみ方、洗濯のやり方、さらにはトイレの行き方まで指導しています」
昼間の授業の傍ら、夜間も教師たちは交代制で、生徒の復習を指導しています。そのため、教師の一日はいつも午前6時前に始まり、子供たちが寝静まった21時過ぎにようやく終わります。アンタン村の小中学校の校長ゴー・バン・テー氏は次のように語りました。
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「教師たちは交代で生徒を管理しています。授業の傍ら、いつ朝起きるのか、いつスポーツをするのかなど、生徒たちが学校で過ごす時間はすべてスケジュールに基づいています。教師は授業で教えるだけでなく、生徒たちをサポート・指導する親のような存在なので、とても大変です。幸いなことに、全寮制に切り替えてからこの2 年間、途中退学する生徒は一人もおらず、保護者も子供の教育についてより関心を払うようになりました」
アンタン村の子どもたちにとって、寄宿学校は第二の家となり、教師たちは第二の親のような存在となっています。