(VOVWORLD) - 南北の経済協力が様々な試練に直面するのは確実ですが、朝鮮半島の平和と朝鮮民主主義人民共和国の経済発展に重要な基盤をつくると期待されています。
韓国統一省の大臣と祖国平和統一委員会(CPRK)の李善権委員長(写真:ロイター) |
韓国と朝鮮民主主義人民共和国は15日、先月の南北首脳会談でまとめた経済協力再開に関する合意の履行に向けた具体策を協議するため、軍事境界線の板門店で閣僚級会談を行いました。南北の経済協力が様々な試練に直面するのは確実ですが、朝鮮半島の平和と朝鮮民主主義人民共和国の経済発展に重要な基盤をつくると期待されています。
南北の信頼醸成
会談では、南北の鉄道・道路連結事業の着工式を11月末から12月初めに実施する日程で合意しました。着工に備えた共同調査を今月下旬から始めます。また、2020年東京五輪での南北合同チームの編成や、2032年夏季五輪の共同開催を話し合う南北体育会談を10月末ごろに開く方針も確認しました。そして、朝鮮戦争で生き別れになった離散家族については、ウェブカメラを通じた面会や動画交換を再開する方法を11月に模索します。
このほか、先月の首脳会談で締結した軍事合意に続く取り組みを策定するため、南北の軍当局者が「近い将来」面会する見通しです。軍事合意には南北軍事共同委員会の設置や軍事演習の停止、飛行禁止区域の導入のほか、軍事境界線での段階的な監視所撤収と地雷撤去が含まれます。
また、朝鮮民主主義人民共和国の開城工業団地内に前月開設された南北連絡事務所で今月22日に森林の再生に関する会合を開く見通しで、健康と病気の予防に関する会合も今月下旬に予定されています。
今回の会談について、韓国統一省が発表した共同文書は「南北関係を新たな段階に発展させるための行動計画について協議し、合意に至った」としました。朝鮮側も「中身のある結果」を目指していると表明しました。
協力チャンスの拡大
こうした動きは朝鮮半島に経済協力チャンスを与えると期待されています。朝鮮民主主義人民共和国は、金・鉄・銅・石炭など鉱産物が非常に豊かな国として知られています。また、交通・エネルギー・通信などの分野における同国のインフラ整備の需要は非常に高いとみられますので、外国企業にとって絶対に見逃せないチャンスとなるでしょう。
朝鮮民主主義人民共和国は、経済の立て直しを目指す姿勢を示しています。先ごろ、同国は「朝鮮民主主義人民共和国の対外貿易 」というウエブサイトを開設しました。このウエブサイトは、貿易に関する法律や政策、貿易に従事している同国の会社などを詳細に掲載しています。
しかし、アメリカのトランプ大統領は先週、アメリカの許可なく韓国が朝鮮への制裁を解除することはないとの見解を示しています。それでも、朝鮮半島の平和回復と経済協力は世界の共通の希望です。