欧州とロシアとの関係


EU=欧州連合は25日付の官報で、ロシアやウクライナ東部の親ロシア派の15人の個人や18の団体・企業に対する資産凍結などの追加制裁リストを公表しました。


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今回はロシアのフラトコフ対外情報局長官や、パトルシェフ安全保障会議書記などの治安担当責任者を多く加えました。資産凍結などは即時発動となりました。


追加制裁

今回の措置で、EUがウクライナ問題で発動した資産凍結は87人の個人、20の 団体・企業となっています。個人にはEU域内への渡航禁止も適用されます。団体ではウクライナ東部で親ロ派が一方的に独立を宣言した組織としての「ドネツク人民共和国」、「ルガンスク人民共和国」などを対象としました。この他、クリミアの政府系企業なども追加しました。

さらに、28日、アメリカは「アメリカとEUは、週内にロシアの主要産業に対して追加制裁を科すことで一致した」と明らかにしました。マレーシア航空機の撃墜後も、ロシアが親ロシア派武装勢力に戦闘員や武器の供与を続けていると批判しました。欧米が足並みをそろえてロシアへの圧力を強めます。

しかし、具体的な対抗策を決める段階になると、さっそく加盟28カ国の立場の違いが鮮明になりました。


EU亀裂


対立の原因で最も明白なのは、フランスがロシアとの間でミストラル級の強襲揚陸艦2隻を売却する契約を結んでいることです。複数のEU加盟国が売却の中止を求め、イギリスはその急先鋒に立ちます。これに対し、フランスはイギリスの偽善を責め立てています。フランスの武器販売を問題にする一方で、イギリスはロンドンの金融街シティーにおける金融取引など、ロシアとの商業的な結びつきで巨額の利益を上げるのに目をつむっていると主張しています。

ドイツの産業グループは同国政府に宛てた社外秘文書の中で、対ロシア制裁による影響がすでにロシアで事業を展開するドイツ企業に及んでおり、今後ロシアに対する経済制裁が発動されれば、ドイツだけでなく、欧州の産業に恒久的な傷跡を残すと警鐘を鳴らしました。ドイツの経済東方委員会によりますと、ドイツでは2万5000人の雇用が脅かされているということです。

イタリアのパドアン経済相は、今後の経済制裁は「経済制裁を受けた者、そして経済制裁を科す者にとっても問題になるだろう」と警告しました。

迅速な行動への圧力が高まるなかで、商業上の利害や雇用が危険にさらされ、国家の威信がかかった状況となり、EUが一致してロシアの行動に対応しようとする努力が、感情の悪化とともに行き詰まる危険があります。それを避けるためには、進んで妥協する姿勢と、ある程度の明晰な思考力が必要になります。

このようの中、ロシアのラブロフ外相は、「欧米諸国によるロシアの政府高官や企業に対する制裁はその目的を達成することはできず、ロシアを一段と経済的に自立させるだけだ」と述べた。同外相はさらに、ロシアは欧米諸国に対し報復的な制裁措置は導入しないとの立場を示しました。

 

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