気候変動に対応できるメコンデルタの持続的な発展 

(VOVWORLD) -27日、南部カントー市で、グェン・スアン・フック首相の主宰により、「メコンデルタの気候変動適応・成長モデルの転換・持続的な発展」をテーマにした会議が本格的に開幕しました。
気候変動に対応できるメコンデルタの持続的な発展  - ảnh 1写真提供:Thong Nhat

国内外の代表、合わせて500名が参加する今回の会議は、2100年までの南部メコンデルタ地域の戦略的かつ持続的な発展に向けた措置を討議することになっています。

人口約1800万人を擁するメコンデルタは、大きな経済発展の潜在力に恵まれる地域となっています。また、全国のGDP=国内総生産に占める割合は18%前後に達しており、全国のコメ輸出量の9割、水産物輸出総額の6割、果物の輸出量の7割を占めています。しかし、現在、メコンデルタは気候変動と海面上昇による特別な困難状況に直面しています。

メコンデルタと日々激化する困難状況

この数百年にわたるメコンデルタの形成と発展の道のりを振り返ってみると、この地は、それぞれの段階で、新たな困難や試練に直面せざるをえなかったことが伺えます。

1975年に、国が完全独立・統一されてから、ベトナム共産党と国家は引き続きメコンデルタ地域における数百万ヘクタールの荒れ地を開墾して、肥沃な田畑を作りました。メコンデルタ地域は、国の食料安全保障を確保し、国内での食料・食品不足による飢餓状態の脱出に寄与してきました。しかし、現在、メコンデルタ地域はかつてのない新しい試練に直面しています。それは、気候変動による豪雨、熱波などの異常気象、海面上昇、塩害、干ばつ、土砂崩れなどが相次いでいるということです。その他、

メコン川上流では、貯水池に水をためたことよって水がせき止められたことで、メコンデルタ地域の生態系の全体を変化させ、現地住民の生活と生産活動に様々な困難をもたらしています。

2012年に発表された気候変動と海面上昇の予測シナリオの中に盛り込まれている幾つかの要素は、5年間経った現在までに、実際に表れ、予測できないほど複雑に推移しています。2030年までに、海水が100㎝上昇すると、ハウザン、キエンザン、カーマウなどのメコンデルタ地域各省の大多数の面積が冠水の状態にあると予測されています。

メコンデルタ地域の発展に向けた新しい思考

こうした状況を前に、「メコンデルタの気候変動適応・成長モデルの転換・持続的な発展」をテーマにした会議が、向こう数十年間のメコンデルタ発展戦略を評定する目的として開催されることは、政府、各省庁、地方の指導者、現地住民の決意を示しています。資源環境省のチャン・ホン・ハー大臣は次のように強調しています。

(テープ)

「首相はこの会議に極めて厳しい要求を付けています。これは、我が政府、メコンデルタ、及び他の生態経済地区にとっても大きな要求と目標となっています。首相は、この会議で、参加者らが長期的な問題を出すと同時に、実施の可能性がありながら差し迫った措置を提示した上で、それぞれの部門や地方が相応しい措置を優先課題として選択するということを指示しました」

その他、この会議はメコンデルタにおけるインフラ整備、持続的な生計の転換、水利インフラ、災害防止対策、土砂崩れ、人材開発などについて具体的に討論するとしています。南カントー大学校長のボ・トン・スアン博士は、「首相の主宰の下で開催される今回の会議は大きな転換点を作り出し、画期的かつ戦略的な解決策を見出してゆくだろう」との確信を表明し、次のように語りました。

(テープ) 

「今回の会議に出席する各部門の代表は、最も効果的な措置を講じるよう積極的に討議しましょう。メコンデルタの需要や、試練、チャンスなどを全面的に評定できると期待しています。」

メコンデルタにおける現在のような状況の中で、この地域の持続的な発展のための2100年までの長期的な戦略作りは、党と国家の決意となっています。会議の後、政府は、メコンデルタ地域の長期的な発展に関する文書や決議を出すはずです。

 

 

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