ブ・ハイ副総裁
活字新聞は紀元前1世紀に姿を現わし、公共の場に貼り出されたものでしたが、公的に出版された最初の活字新聞は16世紀末にイタリアのベニスで、現れました。また、放送は18世紀に誕生する一方、1920年、アメリカで最初のテレビが製造されました。20世紀に入り90年代になると、インターネットによる電子新聞が登場しました。
デジタル化とインターネットの時代になると、活字新聞、及び放送は様々な試練にさらされています。WAN-IFRA=世界新聞・ニュース発行者協会の統計によりますと、若者10人の中の7人は毎日、ニュースを見ていますが、SNS=ソーシャル・ネットワーク フェイスブックが第一の情報源となっています。SNSの誕生により、ジャーナリストらは報道に関する思考を変化せざるを得ません。また、人々はSNS上のアカウントで記事やオーディオ、ビデオを掲載することができるようになりました。大衆は活字新聞や放送以外に、様々な情報源を選ぶことができます。こうした中、活字新聞と放送が地位を確立するためには、刷新を進めなければならないとしています。活字新聞のメリットとしては正確な情報や資料を提供し、読者に相応しい読む姿勢や時間を選び、印刷物を互いに貸し借りできるということです。放送の場合は国境に限らず、視覚障がい者や非識字者をはじめ、大勢の人々に同時間に即情報を伝えることができます。
これまで、VOV=ベトナムの声放送局はデジタル時代の要求に応えるため、刷新を行なってきました。政治や経済、文化・教育など各分野・対象者に特化した専門内容が開設され、番組の内容が絶え間なく充実されています。また、短波・中波放送やFM放送はインターネットにもアップロードされています。これにより、リスナーは好きな番組を繰り返し、聴くことが可能になりました。また、ソーシャル・ネットワークでチャンネル別のページを作成して、紹介やプロモーションを行うとともに、独自の発想でリスナーへのアプローチを展開するなど、リスナーは番組制作に参加することができます。
現在、VOVの放送番組の制作はHD=ハイデフィニションやDAB+=次世代デジタルラジオ、DRM=デジタル・ラジオ・モンディエールなどの先進技術によって、試験的にデジタル化されていますが、それに見合った技術の選択を検討中です。大衆の情報要求に応えるため、各放送局は刷新を進めると同時にラジオ放送だけでなく、インターネットや活字新聞、電子新聞、テレビ放送などを複数の形で大衆に情報を伝えるよう、尽力しなければなりません。
どんな時代であっても、活字新聞と放送は発展事業において大衆を第一に位置づけるならば、その地位を確立できるでしょう。