深刻な干ばつ対策に対応するベトナム


深刻な干ばつ対策に対応するベトナム - ảnh 1
干ばつに見舞われている南部メコンデルタ地域


既にお伝えしましたように、ベトナムの中部高原地帯テイグェン地方、東南部、南部メコンデルタ地域は、エルニーニョ現象の影響によりこの数十年間で最悪の干ばつと塩害に見舞われています。こうした状況を前に、ベトナム政府と各地方はこの自然災害の被害を最小限に抑えるために全力を尽くしています。

現時点で、干ばつと塩害は稲作や生活などに深刻な影響を及ぼしています。今年、中南部地域では、およそ4万ヘクタールの稲の栽培が停止せざるを得ない他、5万人が生活用水の不足状態にあると予測されています。南部メコンデルタ地域では、塩害は海岸から年平均より高い90キロ離れた本土でも起こっています。5月と6月にも、干ばつと塩害が最も深刻化になると見込まれています。また、中部のタインホア、ゲアン、クアンビン、クアンチの各省でも、エルニーニョ現象の影響により干ばつになると警告されています。農業農村開発省のカオ・ドク・ファット大臣は次のように語りました。

(テープ)

「塩害が発生する地域は南部メコンデルタ地域の半分以上を占めています。心配しているのは現時点は干ばつと塩害の発生時期ではないということです。その時期は、南部メコンデルタ地域では、3月末から6月末まで、中南部では4月から5月までですから。その一方で、降雨の時期はテイグェン地方では6月に、中部ニントゥアン省と南部ビントゥアン省では9月までです。」

中央の断固たる指導

こうした状況を前に、政府は、2016年の干ばつ対策を長期的ビジョンと結び付けて実現することを主張しています。去る2月4日に、グェン・タン・ズン首相は、干ばつと塩害の緊急な防災対策に関する指示を出しました。また、旧正月テト明けに、グェン・スアン・フック副首相は、南部メコンデルタ地域とテイグェン地方における塩害防止対策作業を視察しました。干ばつと塩害の長期的予防対策について、政府事務局のグェン・カック・ディン副局長は次のように明らかにしました。

(テープ)

「今年だけでなく、長年にわたって、樹木や畜産の構造を水資源の条件に合うように転換させる必要があります。計算によりますと、1ヘクタールの水稲を栽培するためには、1万立方メートルの水を必要としますが、同じ面積に他の樹木を栽培する場合は、2千~3千立方メートルの水しかかからず、高い経済的効果をもたらします。農業農村開発省は2016年~2020年期に、生活用水を溜める為、ダムの整備、貯水池を掘る作業の拡大を首相に提案しました。」

地方の主体的対応

最南端カマオ省は、塩害防止、生活用水の備蓄を目指すため、1ヶ月より早く水門の閉鎖を指導しました、カマオ省人民委員会のグェン・テェン・ハイ委員長は「同省は、現地住民に干ばつと塩害の防止対策の宣伝活動を強化すると同時に、季節の条件に相応しい稲の栽培やエビの養殖に関する技術の転換を案内している。」と明らかにしました。

一方、西南部指導委員会のグェン・フォン・クアン副委員長は「現在、この地での干ばつと塩害の防止対策は最重要な課題である」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「アンザン省、キエンザン省、及びカントー市など重点生産地区において塩害防止と淡水の備蓄を目指すため、堤防を建設します。これは、生産活動に奉仕することが狙いです。長期的対策の場合は、政府がメコン川諸国と共に塩害問題を討議していただきたいです。」

政府と各地方は、季節の深刻さに断固として対応すると同時に、長期的な対策を主体的にとってゆくことが、気候変動対策への近道となることでしょう。

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