ベトナム最大で政治力が強い大衆組織として知られる祖国戦線は、今月20日から、各地方での選挙準備作業を監視する予定です。これは、5月22日に予定されている第14期国会選挙と2016—2021年期の各レベル人民評議会の選挙の成功へ向けて重要であるとみられています。
今回の監視の目的は、各地方で展開されている選挙の準備作業において発生している困難や問題などを把握した上で、解決策を見出すことにあります。これを通じて、5月22日の選挙を民主的かつ合法に行うことが狙いです。
選挙のプロパガンダ
選挙を合法的に行うための監視
ハノイ市民の一人ヴォ・ソさんは、2015年国会・人民評議会選挙法によると、祖国戦線は選挙を監視する責任があることから、祖国戦線は今回の選挙の全体をしっかり監視しなければならないとの見解を示しました。ソさんは次のように語りました。
(テープ)
「祖国戦線は、選挙に関わる組織や機関の活動を見極めるなど、監視としての役目をしっかりと果たさなければなりません。候補者の推薦や選挙運動など選挙の全体を監視しなければなりません。これはとても重要なことです。祖国戦線は、それぞれの候補者の基準をチェックしたり、候補者リストを調整したりするなど全てをやらなければなりません。」
一方、ベトナム祖国戦線中央委員会幹部会のレー・チュエン元副議長は、選挙の監視は選挙の成功につながる重要な業務であり、政治体制の刷新及び民主主義の強化に貢献すると明らかにしました。チュエン氏は次のような見解を述べました。
(テープ)
「選挙の監視は、形式的な監視ではなく、選挙運動や投票、開票などを直接監視することです。国民は、祖国戦線に役目をしっかりと果たして欲しいのです。祖国戦線は、選挙が民主主義の精神に沿って行われているかどうかを監視するとともに、自分も監視しなければなりません。今回の選挙はベトナムの法治国家の体制の改革に貢献すると思います。」
選挙運動を集中的に監視
ベトナム祖国戦線中央委員会は5月の国会選挙と各レベルの人民評議会の選挙を監視する計画を出しました。それによりますと、3月20日から、全国で3回の監視活動を行う予定です。第3回の監視は選挙運動に集中するとしています。祖国戦線中央委員会幹部会のグエン・ヴァン・ファー副議長は次のように語りました。
(テープ)
「祖国戦線と関連団体は、選挙運動をしっかり監視します。例えば、贈り物や慈善活動を通じて有権者の票を目指すのはダメです。こうした贈り物や慈善活動を明らかにするのは容易ではないですが、ある候補者が突然、ある村へ行ってプレゼントをしたり、チャリティーを行ったりするのはダメです。もし祖国戦線が、そのようなことを知れば、その候補者を除外します。」
このように語ったファー副議長はまた、選挙法に背く行為はすぐ、国家選挙評議会、及び、祖国戦線の選挙指導委員会に報告され、処分されると強調しました。それは、選挙を合法的かつ民主的に行うことを目指すものです。