20日午前、ハノイで、第13期国会第10回会議が開幕しました。開会式で、グエン・タン・ズン首相は政府報告を読み上げ、2011−2015年期の経済社会発展状況を評価した上で、2016−2020年期の経済社会発展計画の方向について紹介しました。
報告によりますと、2011年から2015年の期間において、ベトナムは、インフレの抑制、マクロ経済の安定、社会福祉の保障、国民生活の改善などの目標を実現しながら、経済構造の転換、国防・安全保障、国際社会への参入促進を戦略としています。これは、2016−2020年期のよりダイナミックな経済社会発展の基盤を作るとしています。
2011—2015年期の結果
報告の中で、グエン・タン・ズン首相は、2011−2015年期の経済社会発展計画はほとんどの分野でよい結果が出ていると評価しました。この計画で出された26の指数の中で、17の指数が計画を上回りました。計画を下回った9つの指数のうち、GDP=国内総生産の成長率という指数がありますが、2014年と2015年の両年、この指数はその年の計画を上回り、前向きな転換を示しています。特に、2015年のGDPの成長率は6.5%に上る見込みで、この5年間の最高となります。
これについて、ズン首相は次のように語りました。
(テープ)
「こ の5年を振り返ると、様々な困難と試練に直面したものの、全党、全軍、全国民の努力により、出された目標を基本的に実現できました。中でも、インフレ の抑制、マクロ経済の安定、社会福祉の保障、国民生活の改善という目標です。また、経済成長率を維持しており、この2年、より高い経済成長を達成できて います。そして、経済成長モデルの刷新を経済構造の転換と繋げるとともに、国の領土の保全、各国との友好関係の強化、政治・社会の安定の維持、国際社会に おけるベトナムの地位向上、次段階のより高い経済発展の基盤づくりなどを目指しています。」
2016−2020年期の方向
このように語ったズン首相は、2016−2020 年期の方向について、マクロ経済の安定を維持しながら、より高い経済成長に取り組むと強調しました。また、社会の進歩と平等の促進、文化の保存と開発、気 候変動対策、環境保護、資源の活用が重要な課題となります。そして、国防と安全保障の強化、領土の保全、政治的安定の維持、国際社会への参入の促進なども 優先課題であるとしています。
ズン首相は経済成長モデルの刷新を経済構造の転換と繋げることの重要性を強調し、次のように語りました。
(テープ)
「経 済成長モデルを刷新し、着実かつ高い成長を目指します。幅広く発展させるとともに、深く発展させることも重要視します。また、労働効率と競争力の向上、社 会の進歩と平等の促進、環境の保護、国防・安全保障の強化も重要です。そして、新農村づくりと農業構造の転換を促進する必要があります。農業分野では、年 平均の成長率を3%から3.5%にすることです。農業構造の転換は工業化と現代化の基盤として促進しなければなりません。」
このように語ったズン首相は、こうした目標を達成するため、人材の質の向上、科学技術の発展、国家機関の活動の効果の向上、周辺の平和環境づくりが重要であると明らかにしました。