貧富格差の是正に取り組むベトナム

(VOVWORLD) -近年、ベトナムの党と政府は貧富格差の是正に深い関心を寄せ、様々な措置をとっています。平等な社会を作ることはベトナムの今後の発展目標の一つとされています。
貧富格差の是正に取り組むベトナム - ảnh 1         (写真:TTXVN)

ドイモイ事業を実施してからのこの30年、ベトナムの貧困率は急速に減少してきました。統計総局によりますと、この30年、高い経済成長率を遂げたため、ベトナムの貧困者数は3000万人減りました。

具体的には1993年に貧困世帯の割合が58.1%から14.5%に引き下げられ、それが2015年には5%以下に抑えられました。2016年、ベトナムは多次元貧困基準を適用していることから、全国の貧困率は4%になりました。

社会の貧富格差はまだ大きい

経済は発展していますが、貧富格差は期待通り縮小されていません。ベトナムにおける貧富格差に関して、貧困と不正を根絶するための持続的な支援・活動を100カ国以上で展開している団体であるオックスファム・インターナショナルが実施した研究結果によりますと、ベトナムにおける億万長者210人の年収は他の320万人が貧困状態から脱出できる金額に相当します。

不平等さを表す係数であるジニ係数を見れば、ベトナムでの貧富格差の拡大がわかります。その中で、各地域に住む住民の所得の格差は日増しに拡大しています。最も貧困率が高いのは北部山岳地帯、北中部、中部高原地帯テイグェン地方です。ハノイ科学技術連合会の幹部ブイ・コン・ケさんは次のように語りました。

(テープ)

「医療分野は貧富格差を鮮明に表わしています。貧困者は政府からの支援を待っており、高度な治療を受けるような費用を支払えません。そして、病気治療のため、自宅までも売って、困難な状態に陥ってしまう場合もあります。そのような中、お金がある人々は先進的技術を利用する治療を受けています。」

社会の進歩や公平と経済成長の両立

市場経済体制における貧富格差の存在は当たり前のものですが、社会の安全保障と安定確保のため、その格差の幅は重要な意義を持っています。ベトナム祖国戦線中央委員会幹部会の「貧しい人々のための基金」は貧困者に一定の金額を支援したり、チャリティハウスを寄贈したりするだけでなく、貧困者が生産経営活動を行うための方法を知らせ、貧困者が持続的に貧困状態から脱出えきる目標を掲げています。

国会の社会問題担当委員会のブイ・シー・ロイ副委員長は社会の公平を実現するため、経済成長政策と社会政策を両立させて実施する必要があると明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「貧困解消、貧富格差の縮小を目指し、雇用創出、労働者の所得の確保、全ての人々に学習、労働のチャンスを与えるなどを行う必要があります。これは重要な対策だと思います」

貧富格差の縮小、社会公平の確保は今後の社会の持続可能な発展の基盤となることでしょう。

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