日越共同制作『Without Signal!』 見ず知らずなのに、お馴染みのベトナム

(VOVWORLD) -  3月30日と31日の両日、ハノイの青年劇場で、国際交流基金ベトナム日本文化交流センターは、小野寺修二氏の演出によるノンバーバルな(台詞のない)舞台作品『Without Signal!』の公演を実施しました。
日越共同制作『Without Signal!』 見ず知らずなのに、お馴染みのベトナム - ảnh 1 (写真:Japan Foundation)

小野寺修二氏は、2006年に結成した「カンパニー・デラシネラ」を主宰し、2016年1月にはベトナムで初の公演を行っています。パントマイムの技術をベースにした演出は演劇的であり、客席に座っているだけなのに観客の視点が移動しているかのような感覚や、マイム独特の、見えないものが見えてくる感覚で、観客を魅了しました。

(テープ:現場の音)

この作品は、小野寺氏がベトナム滞在中に感じた様々なこと、特に混雑した中でも、車、バイク、人がぶつかることなく行き交う光景から感じられる、人々の距離感や空間感覚、それぞれが自由に動いていながらも、全体が大きく関係しながら動いているといった印象をもとに、作り上げられたということです。小野寺氏の話です。

(日本語のテープ)

今回の公演には日本人キャストのほか、4名のベトナム人パフォーマーが出演しました。ベトナム人パフォーマーの一人ホアン・トゥンさんは次のように話しました。

(テープ)

「私たちは、お互いにわかりあうようにしました。それぞれの国、それぞれのアーティストが、異なるスタイルを持っているからです。しかし、ボディー・ランゲージなので、互いに分かりやすかったです。今、私たちは一つになっていますよ。」

70分間に及ぶ公演を通じて、観客は、今までベトナムになかったノンバーバルな舞台を楽しむことができました。青年劇場のレ・カイン副社長は観客の立場から次のような見解を述べています。

(テープ)

「この作品は、舞踊と普通の演劇を結合させたものです。その面白さは、動きや空間、声音、照明などすべてが自由になるということです。いかなるルールや基準に応えることはないので、先入観を持たせずに、自由に想像できるという面白さです。

小野寺氏によりますと、日本人とベトナム人パフォーマーたちは、来年の春に公演する予定の新作のために、一生懸命に練習しています。そして、2017年9月に横浜で『Without Signal!』が初演があり、好評を得たことにより、多くの日本人パフォーマーはベトナム人パフォーマーと協力して「日越共同制作を進みたい」と思っているそうです。

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