ベトナムのグエン・スアン・フック首相の招きに応え、16日と17日の両日、日本の安倍晋三首相はベトナム公式訪問を行っています。この訪問は両国関係が良好に発展している背景の中で、行われるもので、両国関係をさらに全面的かつ実質的に発展させることが狙いです。
2016年5月に日本で会談したフック首相と安倍首相
強固な基盤
ベトナムと日本は1973年に外交関係を樹立しました。現在、両国関係はかつてないほど良好であると評されています。近年、両国の指導者による相互訪問が頻繁に行われ、しっかりとした政治的信頼が築かれました。2015年9月、ベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長の日本訪問に当たり、双方は両国の協力の方向性を示す日越共同ビジョン声明を発表しました。声明の中で、両国はお互いに相手国を自国の重要なパートナーとみなしており、相手国の発展は自国の発展に便宜を図るとの認識を共有しました。
ベトナムと日本の関係の主要な柱の一つは、経済協力です。日本は、ベトナムにとってODA供与国として第1位、投資国として第2位、貿易相手国として第4位になっています。近年、両国の貿易総額は年平均14%増ともなっています。また、日本は、ベトナムの工業発展を大きく支援しています。そして、長い海岸線を持っているという共通点があることから、両国は海洋経済の協力をさらに拡大しています。
こうした良好な政治関係・経済関係のほか、両国は、農業、教育、観光、気候変動対策などの分野においても協力を拡大する方針です。そして、国連、ASEAN東南アジア諸国連合、APECアジア太平洋経済協力会議、ASEMアジア欧州会合など国際場裏での著しい連携・協調を見せています。
安全保障の分野でも両国は多くの共通利益があります。地域の情勢が複雑に推移している中、日本は、ベトナムの海上安全保障の能力向上を大いに支援しています。
両国関係を全面的・実質的に
安倍首相による今回のベトナム訪問は両国の広範な戦略的パートナーシップの更なる強化・発展に弾みをつけると期待されています。特に、今回安倍首相に同行しているのは日本の大手企業と自治体の代表数十名です。これは、両国の経済関係及び地方間の協力を一段と拡大させると見られています。
安倍氏が首相としてベトナムを訪問するのは今回が3度目です。今回の訪問は両国関係を全面的かつ実質的にさらに発展させてゆくことでしょう。