ベトナム、ジェンダー平等法の履行で成果を収める

(VOVWORLD) - 「ジェンダー平等法が履行されてからこの10年間、ベトナムはジェンダー平等の確保で多大な成果を収めています」。これは、国連人口基金ベトナム事務所長の評価です。

ジェンダー平等の確保と女性へのエンパワーメントに関する複数の国際条約を批准してきたベトナムは2006年、ジェンダー平等法を発効させました。これは、男女平等権の保護に対する各レベルの行政府や、機関、企業、国民の責任を制定するものです。

 2018年から、労働傷病軍人社会事業省はジェンダー平等法の10年間の実施状況を総括する報告書のまとめを始めました。その中で、この法律・人権に関する国際基準・ベトナムの関連法律の間の統一性や、2007年から2019年の期間におけるジェンダー平等法の実施結果と未解決問題の評定を目指すものです。これを基に、今後の方向を定めます。

24日、ハノイで開催されたこの報告書を発表するセミナーで、国連人口基金ベトナム事務所のナオミ・キタハラ所長は、「ジェンダー平等法が履行されてからこの10年間、ベトナムはジェンダー平等の確保で多大な成果を収めている。医療と教育をはじめ多くの分野での女性のリーダーシップが強化されている」と確認するとともに、「ジェンダー平等は人権の基本的な要素としてだけでなく、繁栄した社会の土台でもある。また、2030年までの持続可能な開発目標の実現にも貢献する」と強調しました。

報告書によりますと、全世界の女性国会議員の平均割合は25%、アジアは19%ですが、ベトナムは26・8%に達しています。また、女性はベトナム労働人口の47・3%を占めています。ジェンダー平等法が発効されてから、女性の権利保護事業は多大な成果を収め、家庭や、社会、政界、経済界における女性の地位と役割の向上に役立っています。これは国の発展事業や、国際社会への参入事業などにも貢献しているとしています。

一方、報告書はジェンダー平等の確保に対する困難と試練も指摘しています。例えば、世界経済のマイナス影響や、第4次産業革命の迅速な発展、気候変動、人口学の変化などです。そのうえで、報告書は複数の勧告を出しています。中でも、各機関の責任を具体的に定めることや、男女平等に関する政策・規定を点検し、ジェンダー平等法に合致するように改正すること、ジェンダー平等問題を2030年までの持続可能な開発目標の実施と結び付けることなどです。 

報告書は労働傷病軍人社会事業省を含めベトナム政府や、関連各機関、部門、団体、個人に対し、「誰一人も取り残さないという目標達成を目指し、ジェンダー平等の確保に力を入れていくよう」訴えています。

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