11月10日から一週間の主な国際ニュース


*             先週、中国・北京で開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議は、域内の貿易自由化を目指す首脳宣言を採択して、閉幕しました。一方、その後のアメリカ・中国首脳非公式夕食会では、大国同士のさや当ても始まっています。APECでは、議長のシュウキンペイ国家主席が、貿易自由化議論を主導しましたが、実態は、別の貿易圏を頭に描く、日米両国との対立が浮かび上がった形です。

*             主要20か国が参加しオーストラリアで開かれていたG20首脳会合は16日、「経済成長の引き上げがG20の最優先課題」とする首脳宣言を採択し、閉幕しました。首脳宣言では、世界経済について「回復は鈍く、ばらつきがあり必要な雇用を生んでいない」と指摘し、成長の引き上げがG20の最優先課題と強調、このため インフラ投資や雇用の創出が必要だとしています。また、女性の労働参加を促進し、2025年までに1億人以上の女性を新たに労働力とすることでも合意しました。

*             12日に開かれたASEAN首脳会議の議長声明が13日、発表されました。ベトナム東部海域(南シナ海)情勢について「引き続き懸念している」と表明し、紛争回避に向け、法的拘束力を持つ「行動規範」策定を目指し、中国とより緊密に協議を重ねると強調しました。議長声明は「平和と安定の維持と海洋上の安全、航空の自由が重要であることを再確認した」とし、そのためには、武力に訴えず自制を発揮しながら、平和的手段で紛争解決するとの決意を示しました。

*             先週、中国とロシアはロシアから中国への新たな天然ガスパイプラインの建設推進や、人民元建ての貿易取引の拡大を検討することで一致し、両国の蜜月ぶりを内外にアピールしました。新たなパイプラインは30年間にわたり年間300億立方メートルのガスを中国に送る計画です。中ロはすでに年間最大380億立方メートルのガスを輸送する極東 地域のパイプラインの建設に着手しています。この2本が完成すれば中国は現在の年間消費量の4割超を安価なパイプライン輸送によるロシア産ガスで賄える計算となります。

*             先週、イラクとシリアにまたがり、勢力を広げる過激派「イスラム国」は指導者バグダディ容疑者のものとされる音声を公表しました。バグダディ容疑者は「全ての場所で、ジハードの火山を噴火させよ」と述べました。声明は、イスラム国の戦闘員に対し、例え最後の1人となろうとも戦いを辞めてはならないと、戦闘継続を呼びかけています。

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