(VOVWORLD) - 先週一週間の国際ニュースの焦点をまとめてお伝えします。
18日、アメリカのトランプ大統領は、政権初となる外交・安全保障の指針「国家安全保障戦略」を正式に発表しました。自国の利益と繁栄に向け、「アメリカ第一」を推進すると強調しました。中国とロシアを「修正主義勢力」と警戒した上で、軍事予算拡大でアメリカ軍を再建し、強いアメリカを目指すことが「アメリカ国民と世界の利益になる」と訴えました。
トランプ氏は同戦略を発表した上で演説し、「われわれは新たな競争の時代にある」と指摘し、「新たな戦略を基に、アメリカはこのゲームに勝利する」と述べました。同戦略をまとめた文書では、中国が「インド太平洋地域でアメリカにとって代わろうとしている」と警戒感を表明しました。ロシアは近隣諸国への影響力を強め「大国としての地位回復を目指している」とけん制しました。さらに、両国が「アメリカの権力や影響力、利益に挑み、アメリカの安全と繁栄を侵食しようとしている」として修正主義国家と批判した半面、「これらの国とアメリカの利益を守るため、関係を築いていく」とも記述しました。
核・ミサイル開発を進める朝鮮民主主義人民共和国とイランを「ならず者国家」と非難し、核の脅威からアメリカや同盟国を守るため、軍備の近代化を進める姿勢を示しました。さらにアメリカ本土の防衛のため、移民システム改革を行い国境管理の強化を進めると明記しました。アメリカの経済発展に向けては「自由で公正、互恵的な経済関係を追求する」と繰り返しました。
トランプ大統領とオバマ大統領の「国家安全保障戦略」における最も大きな差異点は、気候変動を安全保障威嚇とみなしていないことです。しかし、トランプ大統領の「米国第一」観点は世論に懸念を与えているとしています。
アメリカのこの「国家安全保障戦略」に対しては、中国とロシアは不快感を表明しています。中国外務省の華春瑩報道官は定例記者会見で、「いかなる国や報告であっても、事実を歪曲する、または悪意をもって中傷するような行為は無駄に終わる」と指摘しました。一方、クレムリンも、同戦略の「帝国主義的な性格」を非難するとともに、アメリカ政府が「一極的な世界」に固執していると批判しています。