* 先週、アメリカのバイデン副大統領は日中韓の3か国を訪れました。ソウルではヨンセ大学で学生らを前にアメリカのアジア太平洋政策について演説しましました。この中でバイデン副大統領は「アメリカは、アジア太平洋地域を重視し、経済、外交、軍事の面で、関与を強めていく政策をとっています。オバマ大統領は、この政策を継続する決意であり、アメリカの存在を過小評価すべきでない」と述べました。そのうえで、アメリカとしてはアジア重視の政策を進めていくうえで、日本、韓国、オーストラリアなどの同盟国との連携を強化していく考えを強調しました。
* タイでインラック首相の退陣などを求める反政府のデモ隊は9日、首相府を目指して、再び大規模な抗議行動を行う予定で、一連の反政府デモは大きな山場を迎える見通しです。首都バンコクで抗議行動を続ける反政府デモ隊は先週、ビジネス街や日本人が多く暮らすスクンビット地区など9か所からデモ行進を始め、インラック首相が通常、執務を行っている首相府を目指すとしています。インラック首相は8日のテレビ演説で、「事態の収拾につながるのなら議会を解散することもいとわないが、選挙を実施してもデモ隊側や野党などが結果を受け入れなければ、対立を長引かせるだけだ」と述べて、対話による解決を改めて呼びかけました。
* インドネシア・バリ島で開かれていたWTO世界貿易機関の閣僚会議は先週、停滞していた多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)のうち、「貿易円滑化」など 3分野の部分的な合意を盛り込んだ閣僚宣言を採択、同ラウンド崩壊を土壇場で回避しました。アゼベドWTO事務局長は「不可能とみられた合意が達成できた」と 同ラウンド初の具体的な成果をアピールし、アメリカ政府は「WTOは新時代に入った」と歓迎しました。ただ、合意は10年以上停滞してきた交渉をわずかに進めただけ で、関税削減など残る交渉5分野の合意は「至難の業」(通商筋)、日米欧や有力新興国が地域間・2国間の自由貿易協定(FTA)を優先する流れは今後も加 速しました。
* イエメンの首都サヌアで先週、国防省を狙った自動車爆弾による自爆攻撃と銃撃戦が発生し、少なくとも20人が死亡しました。現場の関係者が明らかにしました。国防省によりますと、攻撃を受けたのは同省に付属する病院施設。武装勢力の大半は死亡もしくは負傷しました。犯行声明は出ていませんが、イエメンでは、アルカイダ系組織よる政府関係者や政府施設への攻撃が過去2年間相次いでいます。
南アフリカのマンデラ元大統領
* 南アフリカでアパルトヘイト=人種隔離政策の撤廃運動を指導し、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ元大統領が95歳で死去し、南アフリカでは市民がマンデラ氏の自宅の前などに集まってその死を悼んでいます。南アフリカのズマ大統領は5日午後、テレビを通じて「われらが愛すべきネルソン・マンデラは旅立ち安らかに眠りについた」と述べマンデラ元大統領が家族に見守られながら亡くなったことを明らかにしました。
これを受けてヨハネスブルクにあるマンデラ元大統領の自宅の前には市民などおよそ500人が集まり、ろうそくや南アフリカの国旗を手に、その死を悼んでいます。マンデラ氏は1918年、イギリスの支配下にあった南アフリカに生まれ、白人政権の下で行われていたアパルトヘイトの撤廃運動に取り組みました。