12月9日からの主な国際ニュース



* 先週、EU欧州連合のフューレ欧州委員(EU拡大・欧州近隣国政策担当)はウクライナとの「連合協定」締結をめぐる話し合いを一時中断するとの方針を表明しました。ヤヌコビッチ大統領は、先月のサミットで、EUとの「連合協定」署名を見送り、ロシアとの関係を強化する道を選択しました。ウクライナでは大統領の決定に反発するデモが連日のように行われています。


* タイの政治対立解消に向けた方策を話し合う政府主催の公開フォーラムが先週、バンコクで開かれました。ニパット国防次官は席上、軍は来年2月の総選挙実施を支持し、選挙を自由かつ公正にするため支援する用意があると述べました。 ニパット次官の発言について反政府デモを主導するステープ元副首相は15日夜の演説で、「彼には軍首脳に代わって発言する権利も権限もない。ニパット次 官がどう言おうが軍とは無関係だ」と猛反発し、また、「バンコクでもう一度大規模な集会を開く必要があるか検討中だ」と述べ、約25万人が集まったデ モと同様の大規模デモを近く実施する可能性に言及しました。


* 南アフリカのマンデラ元大統領の埋葬式が先週、同国南東部の故郷の村クヌで執り行われました。同国を生まれ変わらせたマンデラ氏の偉大な生涯が、多くの参列者に見守られて幕を閉じました。クヌはマンデラ氏が幼少期を過ごした場所で、その後も「最も心が安らぐ場所」として愛し続けた村です。緑の丘を望む墓地には地元の部族指導者や国内外の要人が集まり、マンデラ氏に最後の別れを告げました。遺族の要望で、ひつぎの埋葬は報道陣に公開されませんでした。これに先立ち、マンデラ氏の自宅敷地内で行われた葬儀には約4500人が参列しました。英国のチャールズ皇太子、米テレビ司会者オプラ・ウィンフリーさんらの姿もありました。


* ロシアのプーチン大統領は先週、クレムリンで年次教書演説を行いました。演説の多くを国内問題に割き、国民の間で反感が高まっている出稼ぎ移民への統制強化や、汚職対策を説明しました。対外問題では、EU欧州連合につくか、ロシアにつくかを巡り、反政府デモが続くウクライナを含めた旧ソ連諸国との関係深化を訴えました。また、極東や東シベリアの開発で、特区の新設を提案しました。


* 先週、WTO世界貿易機関は世界各国間の貿易の促進に関する合意を達成しました。インドネシア・バリ島で開かれた閣 僚会議で成立した合意は、2001年に中東カタールのドーハで交渉開始が決まったときの野心的目標とは隔たりがあります。その象徴的意味は決して小 さくないものです。関税貿易一般協定の発足以来、世界経済に寄与してきた多国間の貿易協議に、今回の成功が新風を吹き込むものと期待され ています。

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