・ 先週、日本は、尖閣諸島周辺における中国船による領海侵入と訴え、中国に反対する公文書を送りました。これは、海上で発生した一連の動きの最新状況となっています。これに先立ち、日本は中国軍艦が日本自衛隊の護衛艦とヘリコプターに射撃時に使うレーダーを照射したことを訴えました。しかし、これに関して、中国は反発しました。
・ 先週、島根県などが開いた「竹島の日」の式典に、日本政府が内閣府の政務官を派遣したことに対して、韓国外交通商省のチョ・テヨン 報道官は「極めて遺憾で強く抗議する。不当で無意味な領有権の主張を直ちに撤回し、両国関係の発展のため、誠実な意思を見せなければならな い」という声明を読み上げました。韓国では、今回の「竹島の日」に対する反発が広がっており、ソウルの日本大使館前では、多数の保守系の市民団体が相次いで抗議集会を開きました。
・ 南シナ海の領有権問題で中国が、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所を舞台とする法廷闘争を拒否しました。中国を相手取ったフィリピンによる仲裁手続きに応じず、国際法に背を向ける中国の実像を改めて鮮明にしました。これに対し、フィリピン政府は、中国の拒否によって「仲裁手続きが妨げられるわけではなく、引き続き仲裁裁判所に
委ねる」と表明しました。とりわけ、中国による南シナ海のほぼ全域の領有権主張の不当性を、追及するとしています。
・ 先週、 日本の安倍首相によるアメリカ訪問は、世界各国の報道が特別な関心を示しました。訪問を先立ち、国際世論はこの訪問は安倍首相とオバマ大統領の新任期における日米同盟の具体化に寄与するだけでなく、アジア東北地域における安全保障、平和及び安定に大きな影響をもたらすものであると伝えていました。実際、ホワイトハウスで行なわれた会談で、両首脳は、TPP=環太平洋経済連携協定に関する交渉を通じて、二国間貿易取引関係の強化措置について討議したほか、朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイル問題に対し断固たる対処をとることで一致しました。
・ 先週、IAEA=国 際原子力機関、イランが中部ナタンズのウラン濃縮施設で、濃縮の速度を大幅に上げる新型遠心分離機を導入し始めたという報告書をまとめました。まだ稼働はしていないものの、180基の新型機が設置されているということです。IAEAは、報告書を日米欧などの理事国に配布しました。それによりますと、2月6日の視察で新型機の設置を確認しました。新たに導入した遠心分離機は「IR―2m」と呼ばれ、現在イランが使用している遠心分離機の数倍の処理能力を持っています。今回の報告書を受け、アメリカやイギリス、イスラエルからもイランを非難するコメントが相次いでいます。イランは ウラン濃縮はすべて医療など平和利用のためだと主張していますが、ナタンズでも処理能力が向上すれば、核兵器の原料となる濃度90%以上の高濃縮ウランの製 造が現実味を
帯びることになります。イランは26日にアメリカ、中国、ロシアなど6カ国と核問題について協議する予定です。今回の設備増強でアメリカなどが不信感を強め、協議が進展しにく くなる可能性が大とみられています。
・ イタリアで24日、総選挙の投票が始まりました。世論調査ではベルサーニ氏率いる中道左派連合が優勢でしたが、ここ数週間でベルルスコーニ前首相が率いる中道右派連合も追い上げています。投票は2日間かけて25日まで実施されます。今回の選挙は、ベルサーニ、ベルルスコーニ両氏がそれぞれ率いる連合と、モンティ首相の陣営、及び既成政党批判を展開する元コメディアンのグリッロ氏率いる陣営の4極間の争いになっています。