* ウクライナ危機を巡る緊急の主要7カ国首脳会議がオランダのハーグで先週開かれ、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入を認めない、共同声明をとりまとめました。主要8カ国の枠組みからロシアを外すかどうかも議論しました。
ロシアからの支援が途絶えて財政危機に陥っているウクライナには、各国が国際通貨基金と連携した支援策をまとめる見通し、ウクライナに約27億ドルの支援を打ち出します。また国連総会は先週の本会議で、ロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合の根拠とした住民投票を無効とし、クリミアの帰属変更を認めないよう各国や国際機関に求める決議案を採択しました。本会議に出席した国のうち、賛成は100、反対は11、棄権は58カ国でした。
* 消息を絶ったマレーシア航空MH370便について、同国のナジブ首相は先週、首都クアラルンプールで緊急の記者会見を開き、「MH370便はインド洋南部で飛行を終えた」と発表しました。これは同機が墜落したとの見解を示したもので、乗客・乗員239人の生存は絶望的とみられます。
* 政治の混乱が続くタイで30日、任期満了に伴う上院選(定数150)の投開票が行われました。首都バンコクなどを含めた開票結果がまとまるのは31日になりました。反政権派が勢力を伸ばせば、インラック首相の弾劾手続きなど、今後の政局にも影響を及ぼしそうです。上院の任期は6年。各県1議席の計77議席を選出し、残る73議席は憲法裁判所の裁判長らによる選考委員会が任命します。公選枠を争う今回の選挙には、全国で400人以上が出馬しました。
* 韓国国防省は先週、朝鮮民主主義人民共和国が同日正午過ぎ、韓国が海上の軍事境界線と定めるNLL北方限界線の北側の黄海上で、沿岸から海上に向けた射撃演習を開始したと明らかにしました。砲弾はNLL南の韓国側水域に着弾し、韓国軍も応戦のため射撃を開始しました。 朝鮮民主主義人民共和国は演習実施を韓国側に事前通告していた。朝鮮民主主義人民共和国による演習予告は異例です。
* オランダのハーグで行われた第3回核安全保障サミットは先週、核兵器に転用可能な高濃縮ウランやプルトニウムの保有量を各国が最小限に抑え、核安保の国際的枠組みを強化する必要性などをうたったコミュニケを発表し、2日間の日程を終えました。
サミットでは、26カ国がこの間、核物質保有量の削減に取り組み、核兵器の500発分に相当する高濃縮ウランが低濃縮に変えられたことが明らかにされ、13カ国が次回までに「高濃縮ウラン・ゼロ」実現を誓約した共同声明を発表しました。
またサミットの中では、アメリカとオランダ、韓国がイニシアチブをとり、日本も含む35カ国が核安全保障の強化のためIAEA=国際原子力機関の行動指針の実行と国際協力の推進を誓約する共同宣言を発表しました。核兵器を持つロシア、中国、インド、パキスタンはこれに参加していません。
核安保サミットはアメリカのオバマ大統領の提唱で2010年に第1回がワシントンで、第2回は12年に韓国のソウルで開催し、今回のハーグには57の国・機関の代表が招かれました。次回は2016年にアメリカのシカゴで開かれます。