予断しにくい未来、米朝首脳会談の行方

 
(VOVWORLD) - アメリカのトランプ大統領が6月12日にシンガポールで予定されていた朝鮮民主主義人民共和国との首脳会談の取りやめを決定したことに関し、世論は「驚き」や、「残念」という表現を使っています。

トランプ大統領はその決定を下した後、「6月12日の開催もまだあり得る」と述べ、北側と接触を続けていることを明らかにしましたが、会談の未来に関する悲観論も出ています。

アメリカのトランプ大統領は、6月12日にシンガポールで開催される予定だった史上初の米朝首脳会談を北側が敵対的な姿勢を示したとして、中止を表明しました。米朝両国は首脳会談に合意した3月以降、調整を続けてきましたが、完全な非核化を求めるアメリカと核保有国としての立場を譲らない北側が対立しています。

さらに、この1週間ほどで、北側の高官が相次いで会談の中止を示唆し、トランプ政権側も非核化に応じなければ、会談の中止や延期を辞さない考えを表明していました。

トランプ大統領が取りやめを発表したのは5月24日ですが、ちょうどその日に、朝鮮民主主義人民共和国は核実験場を廃棄する式典を行い、「完全に廃棄した」と発表しました。

北側のキム・ゲグァン第1外務次官は25日、アメリカ側からの会談中止の通告を受け、「われわれはいつでも、どんな方式であれ、向かい合って問題を解決していく用意がある」と語り、「首脳会談は切実に必要である」と訴えています。

こうしたなか、トランプ氏は、「世界の中で圧倒的に強力なアメリカ軍は必要に応じた準備を整えている」とし、北側をけん制しています。トランプ氏は、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長への書簡でも、「いつの日か会うのを大変楽しみにしている」と会談実施に余地は残しつつも、「大規模で強力な核戦力を使わなくて済むよう神に祈っている」と軍事力を強調しています。

アナリストらは、「現状から見れば、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国との緊張感が再び高まる可能性が濃厚である」としています。

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