* 先週、シリア和平に関する国際会議「ジュネーヴ2」の第2ラウンドが何らの成果もなく閉幕しました。国連およびアラブ連盟合同特別代表ブラヒミ氏の仲介に向けた努力もむなしく、シリア政権および反政府勢力は具体的な協議日程さえ策定できずに終わりました。
両当事者は、シリアの今後を協議するのに、まず何から始めたらよいのかすら決められませんでした。反政府勢力側は、シリア現政権はその無能力を露呈しており、危機を脱するためにはバシャール・アサド大統領とその側近たちのいない移行政権を創設するべきだ、との主張です。
一方の政権側は、移行政権創設について協議するにはやぶさかでない、ただし、暴力を停止し、テロリズムの問題を解決することが先決だ、としています。
* 先週、アメリカのケリー国務長官は13日から5日間の日程でアジア諸国を訪問しました。ケリー長官は不安を抱えるアジアの同盟諸国を安心させるため、アメリカが地域の安全保障にコミットしている姿勢を示す一方、中国に対しては、アメリカが最近の中国の動きを地域の不安定化を招きかねないと認識していることを明確に示す方針です。
ケリー氏は13日に韓国に到着し、朝鮮民主主義人民共和国問題に加え、日本との緊張緩和などについて協議し、翌14日には中国を訪問する予定です。国務長官として5回目となる今回のアジア歴訪で中核となるのがこの中国訪問です。
ケリー氏はまたインドネシアを訪れますが、関係者によりますと、これはオバマ政権がアジア太平洋地域に軸足を置くと宣言した戦略の一環だということです。
* ウクライナで先週、これまでに逮捕された反政府デモ参加者に恩赦を与える法律が発効されました。デモ隊が2カ月半以上占拠していた首都のキエフ市役所などを16日に明け渡し、発効条件が満たされたことによるものです。
恩赦法は、EU欧州連合との連合協定署名を拒否したヤヌコビッチ政権に抗議するデモに参加し、治安部隊と衝突するなどして逮捕された者を釈放するものです。アザロフ首相解任と並ぶ政権側の譲歩策のひとつで、国会が1月29日に与党の賛成多数で可決していましたが、発効はデモ隊が占拠する行政施設の明け渡しが条件だったため、宙に浮いていた。
デモ隊は明け渡し期限とされた16日、昨年12月1日から占拠していたキエフ市役所をOSCE全欧安保協力機構の仲介で市当局に引き渡したほか、親欧米派が多数を占める西部のリボフ州、テルノポリ州などの行政府庁舎も明け渡されました。
* 先週、 韓国と朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮戦争で生き別れになった離散家族の再会事業を予定通り実施することで合意しました。
朝鮮民主主義人民共和国はこれまで、今月下旬に始まる予定の米韓合同軍事演習について、離散家族の再会事業と時期が重なるとして延期を韓国側に求めていましたが、韓国側はこれを拒否しました。先週2回にわたり開催された南北高官級会談後にまとまった合意では、朝鮮民主主義人民共和国が譲歩する格好となりました。
離散家族の再会事業は朝鮮民主主義人民共和国が提案し、今月初めに南北で合意しました。しかし、直後に朝鮮民主主義人民共和国は、米軍のB52爆撃機の飛来を理由に、計画を撤回する可能性があると警告していました。