朝鮮半島の新しい時代

(VOVWORLD) - この数日、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と南北の軍事境界線上の板門店で出迎えた韓国の文在寅(ムン・ジェイン) 大統領が27日午前9時半ごろ、握手を交わし手を取り合ったまま韓国への境界線を一歩踏み越えた姿は国際世論の特別な注目を集めています。

北側の指導者が韓国に足を踏み入れるのはこれが初めてで、2007年以来途絶えていた南北間の首脳会談が再開されたことは朝鮮半島に新しい段階を切り開くと期待されています。

金氏は軍事境界線を越えて歩きながら、「前回首脳会談から11年たったことをなぜこんなに時間がかかったのか」と考えた。今後、随時会って懸案を解決したい。心を合わせれば、失った11年を取り戻せるのではないかと万感の思いもこみ上げた」と話しました。

これに対し、文氏は、「韓国では春が訪れている。今回の会談は特別に重要な意義がある。私と金委員長の責任が重いことを実感している」と語りました。

文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は27日、軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)の韓国側施設「平和の家」で会談し、「完全な非核化により、核のない朝鮮半島の実現という共通の目標を確認した」とする「板門店宣言」に署名しました。宣言では1953年から休戦状態にある朝鮮戦争の「終戦」を今年中に目指すことや、両国に米国や中国を交えた多国間の枠組みで、平和体制の構築を協議する方針も示しました。

南北朝鮮首脳会談は2000年以来、3回目となっています。また、この1年、朝鮮半島が歴史上、最も緊迫した状況に陥っていた中で開催されています。会談の中で、南北朝鮮の首脳がまず期待感を表明したことは、両国が長期にわたる深刻な危機の解消を決意していることを示しています。

アナリストらによりますと、北側は、アメリカなどによる脅迫が高まり、制裁が拡大された後、軍事力や、外交による脅迫を拡大しても、各国の防衛や、安全保障の権利を奪うことはできないということを、アメリカとその同盟国に示しました。北側の行動は、軍事活動から協議の歓迎にいたるまで、そのことを明らかに示す例となっているとしています。

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