*先週、ウクライナでは、親ロシア派の住民や武装集団が、暫定政権の設けた投降の期限から丸1日近くたっても州政府庁舎などの占拠を続けるなか、暫定政権は今のところ強制排除には踏み切っておらず、首都キエフでは一刻も早い強制排除の実行を求める大規模なデモが行われました。一方、緊迫するウクライナ情勢を巡り、アメリカ、ロシア、EU、それにウクライナの外相級による協議が、スイスのジュネーブで行われ、事態の悪化に歯止めをかけられるのかが注目されました。
*韓国南部の沖合で、修学旅行生など475人を乗せた旅客船が沈没して、58人が死亡、244人の安否が分からなくなっている事故で、韓国の海洋警察は、船が短時間で沈没したことから、暗礁に衝突して船底に穴が開いた可能性を含めて原因を調べています。
この事故は16日午前、韓国南部の海上を航行中だった旅客船「SEWOL」号(6825トン)が浸水して大きく傾き、その後沈没したものです。
韓国検察と海洋警察の合同捜査本部は操船を誤って沈没させ、乗客を死亡させたとして、遺棄致死や業務上過失致死などの疑いで、沈没船のイ・ジュンソク船長と女性三等航海士、男性操舵手の三容疑者を逮捕しました。
*アメリカのオバマ大統領が、自らの裁量によってアメリカとその同盟国に対するテロ活動に関与したり、アメリカの国家安全保障にとっての脅威となると判断する人物に対し、査証発給を差し控えることのできる国会法案に署名しました。この新法案は、アブーターレビー・新イラン国連大使への査証発給を行わないようにするための、アメリカの議員らの努力を受けて作成され、オバマ大統領の署名により発効しました。
アメリカの上下両院は、この法案の可決により、イランのアブーターレビー新国連大使のアメリカ入国に反対しています。イランのハザーイー大使の任期満了に伴い、アブーターレビー氏が次期国連大使に指名されました。アメリカと国連の合意により、アメリカは国連に駐在する各国の大使や外交官にビザを発給する義務があります。イラン政府は、この合意を論拠とし、国連の関連委員会に提訴を申し立てています。
*SIPRI=スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は先週、2013年の世界の軍事費(一部推計値)が前年比実質1・9%減の1兆 7470億ドル(約177兆3千億円)と発表しました。2年連続の減となりました。世界の軍事費の4割弱を占める1位の米国で減少した一方、中国やロシアでは大幅に増加しており、 SIPRIは「欧米で減少し、その他の地域が増加するという近年の傾向がこれまで以上に顕著になった」と分析しました。 米国の軍事費は前年比7・8%減の6400億ドルで、アフガニスタンやイラクでの活動縮小が影響しました。対照的に2位の中国は前年比7・4%増の1880億ドルで、旧ソ連時代の兵器の更新を進める3位のロシアも前年比4・8%増の878億ドルとなりました。