アレッポ退避、国連監視決議採決へ=ロシアが妥協案に合意-安保理

【時事】シリアのアサド政権が制圧した北部の要衝アレッポをめぐり、国連安全保障理事会は18日、アレッポからの安全な市民退避を国連が監視する決議案で合意し、19日午前9時(日本時間同日午後11時)、採決に付すことを決めました。アサド政権を支援するロシアは拒否権行使姿勢を見せましたが、決議案を主導したフランスとの妥協案で合意しました。


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(写真:AFP)


シリア問題に関する欧米提案の安保理決議案はこれまで、ロシアが6回拒否権を行使し廃案になってきました。アレッポでは政権側が12日に反体制派に事実上勝利し、市民らの退避を認めましたが、数千人から数万人に上る市民が今も、政権側によって市外への退避を阻止され、国際社会は人道危機への懸念を再び高めています。フランスなどが妥協案の作成に動いた背景には、安保理の議論が停滞している間に、虐殺などが発生する事態を懸念した可能性が高いです。パワー米国連大使は安保理会合後、記者団に「非常に建設的に作業してきました。全会一致で採択されると期待している」と述べました。

フランス提案の決議案は18日に採決される予定でしたが、ロシアが拒否権行使を示唆し、対案を提示。両案を統合する妥協案を協議し、合意にこぎ着けました。ロシアもアレッポ制圧を受け、人道問題で一定の配慮を見せた形です。
決議案は仏案をベースにつくられ、(1)国際人道法や原則に基づく市民の安全な退避(2)人道援助への迅速かつ無条件のアクセス(3)医療施設や医療関係者の保護-を要求しました。

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