【ベルリン=共同】悲鳴が響きわたり、多くの人たちが逃げ惑いました。駆け付けた警官や消防隊員が、ぐったりと横たわる人たちの救助に全力を挙げました。ドイツの首都ベルリン中心部のクリスマス市に19日、大型トラックが突っ込み、和やかなクリスマス前の夜のにぎわいは悲惨な現場に一転しました。
現場ではクリスマスの飾りや菓子を売る屋台やイルミネーションの破片が散らばり、大型トラックは観光名所のカイザー・ウィルヘルム記念教会の近くで前部が大破した姿をさらしていました。
(写真:EPA/TTXVN)
クリスマス市を訪れる前に現金を引き出そうと近くの銀行を訪れていた20代の男性は、大きな衝突音に仰天しました。「クリスマス市の会場から大勢の人が叫び声を上げながら、パニックになって逃げ出してきた。最初は何が起きたか分からなかった」と興奮した様子です。
トラックが次々と来場客をなぎ倒す様子を目撃してしまい、身動きが取れなくなっている人もいます。消防当局の男性は「けが人だけでなく、ショックを受けた人の精神的ケアも必要だ」と語りました。
警察は周辺に規制線を張り巡らし、数メートルごとに配置した武装警官が周囲に鋭い視線を送ります。救急車やパトカーの青色灯が光り、絶え間なくサイレンが鳴り響きました。
現場を訪れたミュラー市長は記者団に囲まれると「この光景はわれわれ全員にとってショックだ。現在は捜査中だが、くれぐれもテロではないことを願っている」と硬い表情で語りました。