トランプ大統領 議会に書簡送りシリア攻撃の正当性強調
(NHK)アメリカのトランプ大統領は、シリアのアサド政権の軍事施設に対する攻撃について、議会に説明する書簡を送り、アサド政権が化学兵器を使用したことを示す情報を得ていたとしたうえで、今後も状況に応じて追加の行動を取ると伝えました。
(写真:ロイター)
アメリカのトランプ政権は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、シリア中部の空軍基地をアメリカ軍の巡航ミサイルで攻撃しました。
これについて、トランプ大統領は8日、軍事行動に踏み切ったことを法律に従って、議会に通知するための書簡を送りました。
この中で、トランプ大統領は、アサド政権が化学兵器を使用して市民を攻撃したことを示す情報を得ていたとしたうえで、攻撃は化学兵器の使用を思いとどまらせることが目的だったと説明しています。そのうえで、「必要性と妥当性があれば、追加の行動を取る」として状況に応じてさらなる行動を取ると伝えました。
アメリカ議会では今回の攻撃を容認する意見が目立ちますが、一部からは事前に議会の承認を得なかったことについて批判も出ています。
また、トランプ大統領自身も4年前、オバマ前政権が化学兵器の使用をめぐって、シリアへの攻撃を検討した際、「議会の承認を得るべきだ」とツイッターに投稿しているため、今回の行動について一層の説明を求められることも予想されます。
一方、今回の攻撃をめぐっては、ロシアが非難するなど、国際社会の一部から懸念が示されていて、今週ロシアを訪問するティラーソン国務長官がシリア情勢をめぐって、ロシア側と何らかの一致点を見いだせるのか注目されます。