ナスララ師殺害、中東情勢への影響懸念 主要国「即時停戦」を、米は「支持」表明
(VOVWORLD) - レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ師が27日、イスラエル軍の空爆で殺害されました。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ師(写真:AFP/TTXVN) |
この事態を受け、一部主要国は中東地域での全面戦争への懸念を強めており、今後の情勢に及ぼす影響を注視しています。以下に、各国や国際機関の反応をまとめました。
イラン学生通信(ISNA)によりますと、モハマド・レザ・アレフ第1副大統領は、ナスララ師の死が「イスラエルに破滅をもたらす」と警告しました。また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、5日間の喪に服すと発表しました。
アメリカのジョー・バイデン大統領は、ナスララ師の殺害について「数千人のアメリカ人、イスラエル人、レバノン市民を含む多くの犠牲者を出したことに対する正当な措置である」とコメントし、アメリカ政府は「イランが支援するテロリスト集団」に対するイスラエルの自衛権を支持するとの立場を示しました。さらに、中東地域におけるアメリカ軍の「防衛態勢」が「さらに強化される」と述べました。
ロシア外務省は声明で、「イスラエルによる新たな政治的暗殺を断固として非難する」と強調し、レバノンにおける軍事行動の「即時停止」を求めました。
イギリスのデービッド・ラミー外相は、レバノン首相との会談後、X(旧ツイッター)で「流血を終わらせるためには即時停戦が必要である」と述べ、外交的解決こそがレバノンとイスラエルの人々に安全と安定をもたらす唯一の方法だと強調しました。
フランスのジャンノエル・バロ(Jean-Noel Barrot)外相は、イスラエルに対し「レバノンでの攻撃を直ちに停止する」よう呼び掛けるとともに、レバノンでのいかなる地上作戦にも反対の立場を表明しました。また、「ヒズボラやイランなど他の勢力に対し、さらなる不安定化や地域の紛争につながる行動を控えるよう求める」と述べました。
国連のアントニオ・グテレス事務総長は、「過去24時間にベイルートで起きた劇的な事態のエスカレーションに深刻な懸念」を示しました。
パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルとの戦闘を続けるイスラム組織ハマスは、ナスララ師の殺害を「卑劣なテロ行為」と呼び、「この野蛮なシオニストの侵略と住宅への攻撃を最も強い言葉で非難する」と表明しました。(AFP通信)