(VOVWORLD) -25日、ハノイで、北部ナムディン省にあるフォーミン寺の木彫扉の修理事業の終了にあたり、ベトナム国立歴史博物館は、「住友財団の助成による現物保管プロジェクトのこの6年の実施を評価・残された課題」をテーマにしたシンポジウムを開催しました。
シンポジウムには、国内外の科学者や専門家のほか、九州国立博物館と住友財団の代表者が参加しました。
シンポジウムでは、住友財団の財政的助成と九州国立博物館の専門家派遣によってこの3年間展開されたフォーミン寺の木彫扉の修理事業を始め、住友財団の助成によるベトナム国立歴史博物館の現物の保存・修理プロジェクトのこの6年間の実施状況について話し合われました。このプロジェクトは、2011年から始まったベトナム国立歴史博物館と九州国立博物館の協力枠内で、住友財団がこのプロジェクトに2400万円の支援金を支給しました。住友財団は2019年から2021年までの3年で、ベトナム国立歴史博物館で保管されているベトナムの各王朝の任命文書の研究・修理事業を引き続き助成してゆくことにしました。
なお、フォーミン寺の「木彫扉」は、この寺の本堂正面の中央扉で、13世紀から14世紀にかけて制作されたものとみられます。石造りの多いベトナムでは珍しい木製で、二匹の龍が菩提樹の葉をかたどった枠の中に、立体的に精緻に掘りだされており、美術品としての価値が高く、貴重なものです。