既にお伝えしましたように、 昨年末、ベトナムの伝統的信仰であり民族の文化や生活と密接にかかわってきた「ベトナム人の三府の聖母崇拝(マウタムフー=母三府、Mẫu Tam phủ)」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されましたが、4月2日夜、ナムディン省ブーバン県にあるフーゼイ文化歴史遺跡群で、その認定書受領式が行われました。
長い歴史を持つマウタムフーの崇拝は、ベトナムに広く伝わる民族的信仰で、「三府聖母道信仰」などとも呼ばれています。慈悲と寛容の象徴である三府(つまり3人の聖母)を敬う聖母崇拝が、先史時代からの自然崇拝や聖道教、仏教、および、少数民族がもつ宗教などと混じりあって形成されたものです。ベトナム人の健康や希望などについての考え方、幸福観などの精神性が色濃く反映されており、ベトナム人の心のよりどころともなっているとされています。
また、ベトナム各地に神殿があり、彫刻や建築、音楽、舞踊などの多様な文化的・芸術的要素が含まれ、中でも、ナムディン省ブーバン県にあるフーゼイ祭りは代表的なものと見られています。式典で、ブー・ドゥック・ダム副首相は次のように語りました。
(テープ)
「この信仰が世界遺産として認定されたことは、栄誉なことであり、人類の文化に対するベトナム文化の価値と貢献を示すものです。したがって、文化保存に対する我々の責任は高まります。今後も、この文化遺産の保存、発揮に力を入れていく必要があります。」
式典で、文化スポーツ観光省はこの文化遺産の保存に関する行動計画を発表し、その中で、価値の評定や、資料化、その保存作業に積極的に貢献する個人と団体の顕彰、遺産のPRなどの措置が含まれています。