【ニューヨーク=水野哲也】今年限りで退任する国連の潘基文事務総長は16日、国連本部で最後の記者会見を開きました。
潘氏はシリアなど各地で紛争が続いていることを挙げ、「多くの未解決の課題を残すことを申し訳なく思う」と、自らの指導力不足を率直に認めました。
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シリアで主戦場となった北部の都市アレッポについては「今や地獄と同じ状況だ」と指摘し、「我々はシリアの人々を見捨ててきてしまった」と無念さをにじませました。一方、任期中の成果については、2030年までの世界の開発目標の採択や、気候変動対策「パリ協定」の発効、女性の権利向上などを挙げました。
潘氏は退任後、朴槿恵大統領の退陣を受けた韓国大統領選に出馬する可能性が取りざたされています。記者会見で身の振り方を問われた潘氏は「帰国したらできるだけ多くの人と会う。韓国のためにどうすればいいか、何をすべきかについて、本当に真剣に考える」と述べるにとどめました。