米、ロシア非難の国連決議案に反対 ウクライナとの亀裂鮮明に
(VOVWORLD) - アメリカはロシアに加え、ベラルーシ、朝鮮民主主義人民共和国、スーダンなどと共に反対票を投じました。
2025年2月24日、アメリカ・ニューヨークの国連本部で行われた国連総会の投票に参加する各国大使(写真:AFP) |
ロシアとウクライナの紛争が始まって3年となる24日、ウクライナ情勢をめぐって開かれた国連総会の特別会合および安全保障理事会で、アメリカはロシアを非難する決議案に反対票を投じるなど、2回にわたりロシア側に付く行動を取りました。
アメリカはこれまでウクライナを支持し、ロシアを非難する決議案に賛成してきましたが、ドナルド・トランプ大統領の就任以降、ウクライナとの関係に亀裂が生じ、国連における勢力バランスに大きな変化が見られるようになりました。
国連総会(193か国)で欧州諸国が提出した決議案は、ロシアを強く批判するとともに、ウクライナの領土保全と国境の不可侵を強調した内容で、投票の結果、賛成93か国、反対18か国、棄権65か国で可決されました。アメリカはロシアに加え、ベラルーシ、朝鮮民主主義人民共和国、スーダンなどと共に反対票を投じました。
さらに、アメリカはこの決議案に対抗する形で別の決議案を提出しましたが、欧州のウクライナ支援国がアメリカの文書を大幅に修正し、「ウクライナへの全面侵攻」はロシアによって行われた、という表現を盛り込んだ修正案を提示しました。最終的にアメリカは、自ら提出した決議案について棄権を選択しました。
一方、午後に開かれた安保理(15か国)でアメリカは、ロシアへの非難を控えたまま「紛争の早期終結を強く求める」内容の、修正前の決議案を採決にかけ、賛成10か国で可決させました。フランス、イギリス、デンマーク、ギリシャ、スロベニアの5か国は棄権しています。(AFP通信)