(NHK)アメリカのティラーソン国務長官は30日、訪問先のトルコでエルドアン大統領などと会談し、過激派組織IS=イスラミックステートの壊滅に向けて、トルコとの協力を強調しましたが、シリアでの軍事作戦の進め方をめぐる両国の溝は埋まりませんでした。
アメリカのティラーソン国務長官は30日、トルコの首都アンカラでエルドアン大統領などと相次いで会談し、過激派組織ISに対する軍事作戦の進め方などについて協議しました。
(写真:AFP/ TTXVN)
アメリカは、ISと戦う部隊としてシリアのクルド人組織を支援していますが、トルコは国内のテロ組織とつながりがあるとして強く反発し、あつれきが生じています。
トルコの通信社によりますと、会談でエルドアン大統領は「テロとの戦いでは正しい関係者との協力が必要だ」と述べ、アメリカに対して、クルド人組織を支援しないようくぎを刺したということです。
これに対し、ティラーソン国務長官は会談後の記者会見で、ISの壊滅に向けてトルコとの協力を強調する一方、「軍事作戦の進め方はさらに議論していく。どのような選択肢があるか話し合ったが、難しい選択だ」と述べるにとどめ、両国の溝は埋まりませんでした。
また、ティラーソン国務長官はシリアのアサド大統領の処遇について「シリア国民が決めることだ」と述べ、退陣を強く求めたオバマ前政権とは異なる姿勢を示しました。