ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ リスナーのみなさん。お元気ですか、ホアイです。
フン こんにちは。フンです。中部クアンナムは伝統的芸術の復活に取り組んでいます。今日、クアンナム省の省都ホイアン町に足を運ぶとゲームと民謡が一体となった遊ぶバイチョイというこの地の伝統的芸術を路上で見ることができますね。
ホアイ そうですね。では、今日のこの時間はバイチョイの復活に目を向けるクアンナム省の取り組みについてご紹介しましょうか。フンさん。
フン はい。そうしましょう。さて、クアンナム省の位置ですが、ベトナム中部のトアティエンフエ省、クアンガイ省、コントム省と隣接し、西にチュンソン山脈を挟みラオス国境と接し、東にバクボ湾、いわゆる、トンキン湾と接しています。クアンナムは国道1A号線が省内を通りハノイから860キロ、ホーチミン市から947キロ、フエから108キロ、ダナンから南東約30キロ地点にあります。
ホアイ クアンナム省をはじめ、中部の各地方では古くから伝わる伝統遊戯バイチョイが行われていますね。
フン そうですね。でも、バイチョイというのがどんなものなのか?ラジオを聴いている人には分かりにくいかもしれませんね?
ホアイ そうですね。では、がんばって説明します。元々、バイというのはゲームで、チョイというのは畑小屋という意味です。バイチョイというのはそれぞれの小屋にいる人々が互いにゲームをやるという意味があります。実際に、バイチョイにはそれぞれ名前の違うコマが30個と10種類の木の札があります。1つの札にコマの名前が3つずつ書かれていて、参加者は木札を1つ選んで、親になった人が舞台の上に吊るされた竹札を順番に見てゆきます。
フン その際、親は竹札に書かれたコマの名前に関連する民謡を歌います。参加者はそれを聴き、自分の木札にコマの名前があれば声をあげ、金の駒をもらいます。木札に書かれたコマの名前が3つとも出揃ったひとが勝ちとなりますね。
ホアイ そうです。民謡は故郷の恋、父母の愛、夫婦愛、道徳感、社会弊害の批判、時代遅れの古い慣例などがうたわれ、誰にでも分かり、教育性が高いものですね。
フン そうです。バイチョイは単に娯楽であるだけでなく、この地方の独特の民謡を披露する場でもありますね。老若男女だれもが民謡を歌うことができます。ではせっかくですから、ちょっとバイチョイで歌われる民謡をお聞きいただきましょうか?
現場の音
ホアイ 「我が故郷の椰子林」でした。さて、およそ10年ほど前から、クアンナム省ではバイチョイを始め、伝統文化や芸術に興味を持つ若者の数が急激に減ってきましたね。
フン そうです。こうした状況を前に、文化芸術活動に携わっている人々はバイチョイの復活のため、どうすればよいかということで頭を痛めています。彼らはバイチョイを始め、伝統的な祭り、芸術が日常生活の中で活かされるようにあらゆる手を尽くしています。
ホアイ ホイアン文化スポーツセンターのボー・フン責任者は次のように語っています。
(テープ)
「私たちは80年代いらい、バイチョイを省内の芸術大会に、そして、今から5年前には、学校のカリキュラムに導入してきました。学校の野外教育でもバイチョイで歌われる民謡を教えてきました。実際、バイチョイの面白さは若者たちをひきつけています」
ホアイ このように語ったホイアン文化スポーツセンターのボー・フン責任者は「長年来、クアンナム省はバイチョイの復活に向けて、多くの困難に直面したが、ホイアン旧市街の路上で、バイチョイを開始してから、困難は解消されてきた」と述べ、次のように語りました。
(テープ)
「前は地元住民しかバイチョイをやっていなかったので、バイチョイの復活は難航しました。そこで、バイチョイをホイアン旧市街の路上で行うことにしました。不思議なことには多くの観光客がバイチョイに興味を示したのです。観光客はバイチョイの復活に重要な役割を演じていると言えます。現在、毎晩、バイチョイを開催しています。そのほか、私たちは首都ハノイ、ホーチミン市などでもバイチョイを開きます。」
ホアイ ホイアン文化スポーツセンターのボー・フン責任者の話でした。ホイアン旧市街では毎晩、市内の文化スポーツセンターのアーチストたちがバイチョイを得ない国内だけでなく、外国人の多くの若者が楽しんでいます。
現場の音
フン 現在、バイチョイを始め、クアンナム省の伝統的芸術公演はホイアン旧市街に足を運ぶ観光客にとって欠かせない精神の糧となっていますね。
ホアイ そうですね。ホイアン旧市街の活力は豪華な劇場に限られず、日常生活にも自らの魅力を確立しています。クアンナム省文化スポーツ観光局のディン・ハイ局長は次のように語りました。
(テープ)
「クアンナム省では祭りをはじめ、文化活動が活発に行われています。私たちは政府ではなく、祭りを村や町などのコミュニティはこれらの祭りや文化活動を主催する必要があることを主張しています。祭りを行う際に、最も重要なことはその地方の文化色を十分に表すということです」
ホアイ ディン・ハイ局長の話でした。バイチョイを始め、伝統的芸術の復活は長い時間がかかるほか、文化活動に携わる人々とクアンナム省住民全体の努力を求めていますね。
フン そうです。私が知るところでは、現在、ベトナム文化スポーツ観光省はユネスコ国連教育文化機関がバイチョイを世界無形文化遺産として認定できるように申請書類を作成することを予定しているそうです。
ホアイ では。おしまいに、「私の故郷」という歌を聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
フン 「私の故郷」をお送りしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間はバイチョイの復活に対するクアンナム省の取り組みについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。