ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ こんにちは。ホアイです。
フン こんにちはフンです。
ホアイ フンさん。早いものでもう4月1日になりましたね。ベトナムでは4月は雨季の始まりになりますね。
フン そうですね。この頃、ベトナムの各小数民族の人々は雨乞い祭りを行っています。また、雨乞い祭りのほか、北西部に住む各少数民族は田植えを迎える祭り、「竹の子を植える祭り」など農業活動に関連する多くの祭りが執り行われています。今日のこの時間は北部山岳地帯のディン・ビェン省ムオン・フアン県テン村に住む少数民族クォ・ムー(Kho Mu)族の「雨乞い祭り」についてご紹介しましょうか。
ホアイ そうですね。クォ・ムー族の居住地は主にベトナム北西部です。人口はおよそ4万2千人で、生活はほとんど農作業に頼っていますね。
フン ベトナムの山岳地帯に住む他の各少数民族と同じように、クォ・ムー族の人々は万物には霊が宿ると信じています。天・地・畑など周囲にあるすべてのものは人々の生活・生産活動と密接に関連しているとされていますね。
ホアイ そうですね。そのため、クォ・ムー族の人々は天の神様を祭る様々な祭りを行っています。たとえば、豊作を祈る祭りでは豊作と豊かな生活を求めるクォ・ムー族の人々の願いを示しています。
フン その中で、雨乞い祭りは彼らにとって、一年の中でも重要な行事の一つです。テン村共産党委員会のクァン・バン・ムオン委員長によりますと「昔と比べると、現在の農業生産方式には多くの変化がありますが、クォ・ムー族の人々は伝統行事を忘れることはないと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「雨乞い祭りは昔から伝われる行事です。田植えの季節になる毎年4月がやってくると、豊作を祈り、雨乞い祭りをやります」
ホアイ このように語ったクァン・バン・ムオン委員長は雨乞い祭りは決まった日に行われるものではなく、村の長老によって決められるものだそうですね。
フン そうです。雨乞い祭りをやった日の朝、村の人々は普段どおり、田畑で仕事をして、午後4時か5時頃、家に帰ります。その後、村人は集まって、豚や鶏をつぶして一緒に食べます。祭りには村人は歌ったり踊ったりします。この祭りを行うと、その年の野良仕事が順調に行われるようになるそうです。テン村に住むルオン・ティ・フォンさんは次のように語りました。
(テープ)
「雨が多すぎると良くないし、晴れの日が多いのも良くないですから、いい天気に恵まれることを祈っています。今年の収穫量は20袋でしたが、来年、3,40袋を祈ります。そうすれば、一家の生活をまかなえます。種入れの頃から、神様に今年の豊作を祈っています」
フン ルオン・ティ・フォンさんの話でした。では、このへんで、コーヒーブレイクにしましょうか。ホアイさん。
ホアイ。 はい。「 Tinh ca Tay Bac」 北西地方の恋の歌」をどうぞ。
では話を続けましょう。
雨乞い祭りで神様に供養した後、村の人々は輪になって踊ります。
現場の音
フン この踊りの輪に熱心に参加しているルオン・ティ・ルアさんは次のように語りました。
(テープ)
「雨乞い祭りは年に一回行われます。私の村では一年にいくつかの祭りが行われますが、雨乞い祭りはいつも楽しい祭りです。だれもがこの儀式に気持ちを込めています。私たちの生活は農作業に頼っていますので、今年もいい天気に恵まれるよう願っています。天の神様も私たちの意向を理解して、このように歌ったり踊ったりしているでしょう」
フン ルアさんの話でした。
現場の音
今ごろ、ディンビェン省に住むクォ・ムー族の人々は春の栽培期作を迎えているでしょうね。
ホアイ そうですね。クォ・ムー族はこの祭りにたくさんの気持ちと願いを込めています。今日の祭りの楽しさが困難を乗り越える原動力となるでしょうね。
フン そうあってほしいですね。最後に歌を一曲をおききいただいて、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。ホアイ さん。
ホアイ: 「高原のラブ・ストリー」(Chuyen tinh thao nguyen) をどうぞ。
フン。リスナーのみなさん。今日のこの時間はディン・ビェン省ムオン・フアン県テン村に住む少数民族クォ・ムー(Kho Mu)族の雨乞い祭りについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。また来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。