タイ族の伝統的文化の維持、保存に取り組んでいるチュアさん
(VOVWORLD) -ソンラ省イエンチャウ県チェンパン村グア集落に住んでいるルオン・バン・チュア( Luong Van Chua) さんはタイ族の伝統的文化に深い愛着を持っています。
タイ族は主にライチャウ省、ディエンビエン省、ソンラ省、ホアビン省、タインホア省、ゲアン省など、北部山岳地帯や北中部に集まっています。言語はテイ・タイ語系に属し、独自の文字があります。タイ族の人々は広い平野や山々の近く、川沿などに集って暮らし、稲作に従事しています。ベトナムの各少数民族の中でも、タイ族とテイ族の人口が最も多いです。タイ族は黒タイと白タイの2つのグループに分けられ、衣装で区別されます。
ソンラ省イエンチャウ県チェンパン村グア集落に住んでいるルオン・バン・チュア( Luong Van Chua) さんはタイ族の伝統的文化に深い愛着を持っています。長年にわたり、チュアさんはタイ族の文字、言語、風俗習慣の維持、保存に力を入れてきました。
現場の音
お聞きいただいたのはチュアさんが吹く横笛の音色でした。チュアさんは高齢ですが、タイ族への伝統文化に対する愛が薄れることはありません。チュアさんは「生まれつき、タイ族の言葉や民謡、横笛の音色などが身体に沁みついている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「私はタイ族の言葉をさらに普及させることを望んでいます。ですから、タイ語ができれば、タイ族の先人らが昔から伝えてきた多くの本を読むことができます。これらの本は先人が私たちに伝えたい多くの教訓や経験が書かれているので、これらの本を読めないことは残念だと思います」
その考えを持つチュアさんは小さい頃から、多数民族であるキン族の読み書きを学びながらも、タイ族の伝統的横笛の吹き方を学びました。そして、イエンチャウ県の商業部門で仕事をしていた時にも、軍隊に入隊していた時でも、そして、定年退職してからも、チュアさんはいつもタイ族の言葉や横笛をひきつづき一生懸命研究してきました。
しかし、現在、文字を始め、タイ族の伝統的文化が失われる恐れがあることを前に、2016年、チュアさんは地元の党委員会に対し、村でタイ語の言葉を教える教室の開設を提案しました。最初の教室には22人の人々が参加しました。チュアさんの話です。
(テープ)
「タイ族は長い歴史があり、独自の言葉と文字を所有しているので、なぜ維持、保存しないのかと思っています。そのため、タイ族出身である私はその伝統的文化を維持、保存するため、あらゆる手を尽くさなければなりません」
2018年、イエンチャウ省のタイ族文化保存グループが作成され、11人が参加し、チュアさんが担当者として選ばれました。現在、このグループのメンバーは19人に増えており、いずれも、タイ族の文化に興味を持っています。結成いらい、このグループのメンバーは7つの教室を開いており、タイ族の言葉や文字、横笛の吹き方などを教えています。タイ族の文字を教える教室に参加しているルオン・マイン・ヌンさんは次のように語りました。
(テープ)
「小さい頃、タイ族の文字をちょっと勉強しましたが、今回、この教室に参加して、タイ族の文字や古い本で紹介されているタイ族の風俗習慣をよく理解できるようになります。」
チュアさんはいつも自分の努力により、若者たちが今後も引き続き、タイ族の伝統的文化に興味を持つようになることを望んでいる」と述べ、次のように語りました。
(テープ)
「優先的なものはタイ族の文字を、第2はタイ族の伝統的民謡や舞踊を教えるということです。特に、タイ族のスエという舞踊は独特なもので、共同体性が高いです。しかし、難しいのは教える人がいても学びたい人はあまりいないということです。私たちはタイ族の人々がこれらの教室に参加するように宣伝しなければなりません」
ルオン・バン・チュアさんのこれらの取組はタイ族の伝統的文化の維持、保存に寄与していると言えるでしょう。
以上、タイ族の伝統的文化の維持、保存に取り組んでいるルオン・バン・チュアさんについてお伝えしました。では、今日のこの時間はこのへんで失礼します。