テトになぜ花を飾りますか

(VOVWORLD) - テトに絶対欠かせないモノの一つとして、花があります。

ホアイ こんにちは、ホアイです。

ソン こんにちは、ソンです。明日は戌年最後の大晦日ですね。ベトナム全国各地で、人々は旧正月テトを準備することで忙しいようですね。

ホアイ そうですね。テト用品を買ったり、家を掃除したりしていましたが、もう終わった頃ですね。テトに絶対欠かせないモノの一つとして、花がありますね。

テトになぜ花を飾りますか - ảnh 1 菊を売りに行っている女性

ソン はい。ベトナム人は、テトに花を飾る習慣がありますから。桃の花やユリなど様々な花を売る娘たちが目立ちますね。今日のこの時間は、テトに花を飾る習慣についてお伝えします。

ホアイ はい。ベトナムの伝統的な旧正月テトには富める者、貧しき者を問わず、どの家でも花があります。花はそれぞれの家庭に春をもたらすからですね。テトの1ヶ月ほど前から、ハノイ市内の花市場が賑やいできます。

ソン ハノイにはニャットタン( Nhat Tan) 、ギータム( Nghi Tam) 、クアンバ( Quang Ba) など多くの花を栽培する村がありますが、テトの前に開かれる最も大きな花市場は、旧市街のハンルオック( Hang Luoc) 市場と、ハノイ郊外のクアンバ( Quang Ba) 市場です。

ホアイ 近年、クアンバ花市場は花の卸売りとして最も大きな花市場です。この市場で扱われている花はハノイ郊外と周辺の各地で栽培されたものです。この市場は一日中開かれますが、最も賑やかな時間帯は深夜の2時から早朝5時までです。まだ暗い早朝朝3,4時からこの市場に行く買い手は多いです。市場に入るとすぐ菊、バラ、様々な蘭、ユリ、カーネーション、グラジオラスなど色とりどりの花々を見かけます。

ソン クアンバ市場より規模が小さいですが、毎年、旧暦の12月15日から30日まで、ハノイ旧市街にあるハンルオック通りで開かれる花市場は独特な市場です。

テトになぜ花を飾りますか - ảnh 2ハンルオックの花市場 

ホアイ ハンルオックの花市場は500年前から始まったといわれています。年に一回しか開かれないこの花市場はテトを前にして、ハノイの人々にとって欠かせない文化的なイベントになっています。ハノイならではの昔ながらのテト準備雰囲気を実感できると考えている人が多いようです。

ソン ハンルオック花市場に行くのは、昔ながらのテトの雰囲気を家に持ち込むためであると考える人もいます。花市場では花の売り手や買い手だけでなく、花の観賞に来る人の姿もみかけます。花市場を訪れるのは多くのハノイ市民の趣味となっています。色とりどりの花を観賞すると、心地よくなるからですね。

ホアイ そうですね。ハノイをはじめ、北部では、テトに絶対欠かせない花の一つは桃の花です。桃は春の到来を告げる花であると同時に、昔から魔除けの木と考えられていす。旧暦12月23日から一週間、家の守り神である「かまどの神様」が不在の時飾る慣わしが元となっています。

ソン 桃の花を買い求めるとき、花市場だけでなく、桃畑へ行く人も多いですね。ハノイ市のAu Co 通りとホン河(紅河)の間にあるニヤッタン Nhat Tan地区に広大な桃畑があり、桃の花が咲き始めると、買い付け客で賑わいます。

テトになぜ花を飾りますか - ảnh 3桃畑 

ホアイ ある桃畑のオーナーによりますと、今年の天気は桃の花の成長にいいので、桃の花がきれいに咲いているといいます。その値段は、大きさと桃の花の姿形によって異なりますが、枝木の場合は20万ドン~40万ドン(1000円~2000円)ぐらいが一般的です。一方、木の場合は100万ドン(5000円)ぐらいが一般的です。

ソン しかし、近年、桃の花を買うというより、借りる人が増えつつあるようですね。

ホアイ そうですか。借りられる桃の花は大きな木で、盆栽のように鉢植えです。借り手の立場からすると、買うより手頃な価格で鑑賞できます。また、植え方が分からないので、翌年のテトに花を咲かせられないことから、その木を自分のところに植えても意味がないですね。Nhat Tan地区にある桃園で花を選んでいるハノイ市民の一人グエン・トゥアン・フォンさんの話です。

(テープ)

「会社と2か所の支社に飾られる桃の花を借りに来ました。予算は1本の木にあたり4千万ドンから5千万ドン(20万円~25万円)ぐらいです。ここの花は大きくてきれいですし、花が長もちします。1か月ぐらい借りて鑑賞することができます。桃の花は春の象徴であり、家族の温かい団らんを示すものでもありますね。」

ホアイ 1本の木のレンタル料は20万円~25万円って、すごくないですか?

ソン 大きな会社やお富裕層以外、借りられないでしょうね。

ホアイ でも、その他の家庭は小さい桃の花を借りるようです。桃畑のオーナーの話です。

(テープ)

「経済的に余裕のある家庭は1万5000円~2万5000円の予算で桃の花を借りるのが一般的です。それに対し、会社などはその10倍の予算で借りています。旧暦の11月上旬から、借り手はここにきて木を選びました。私の桃園の木のほとんどはお客さんが選んでいます。」

ホアイ 桃の花の他、テトによく飾られている植物は金柑の木ですね。

テトになぜ花を飾りますか - ảnh 4 特別な形をした金柑の木

ソン はい。金柑は子供の象徴で子孫繁栄を願って、また黄色がお金に似ていることから鈴なりの金柑の木を飾ります。金柑の木の値段はその大きさと形によって異なりますが、普通の家庭は、50万ドンから70万ドン(日本円で2500円から3500円)の予算で買うのが一般的です。

ホアイ 高さ3メートルもある特別な形をした金柑の木は、10万円ぐらいになったという話も聞いていますが、近年、盆栽のように植えられた小さい金柑の木は人気があるようですね。

ソン 金柑の栽培を行っているグエン・ティ・イエンさんによりますと、小さい金柑の木ですが、きれいな木になるように鉢で植えることは簡単ではありません。そのため、その価格は2500円から1万円ですが、5万円の木もあるということです。イエンさんの話です。

(テープ)

「金柑の木は庭で植える方が、鉢植えより簡単です。1年間ぐらい鉢で植えなければなりませんが、大変ですよ。今年、我が家は1000の鉢で植えていますが、値段が高い方はほぼ売れましたよ。」

ソン 昔から、花は美の象徴と見られていました。テトを迎えるにあたり花を飾ることはベトナム人の美しい習慣となっていますね。ではおしまいに、一曲お送りしましょう。

(曲)

「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、テトに花を飾る習慣についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。

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