ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ こんにちは。ホアイです。ハノイも明るい太陽が照る季節になりました。
フン こんにちはフンです。皆様のお住まいではいかがでしょうか。ベトナム北部山岳地帯にイエンバイ省というところがあります。そのバンチャン県ナムブン村に住む少数民族ザオ族は自分たちの日常生活をテーマにして写真を撮っています。
ホアイ これは地元の住民が社会経済環境研究所の指導の下で実施されているフォトボイス・プロジェクトですが、地元の人々は写真を通じて、日常生活を生き生きと表わしていますね。
フン そうですね。今日はこのナムブン村で実施されているフォトボイスプロジェクトについてご紹介しましょうか?
ホアイ そうしましょう。昔から、ナムブン村のザオ族の人々は一年中野良仕事をしていて、カメラも撮影技術とも無縁の生活をしていましたね。
フン そうです。でも、フォトボイス・プロジェクトの実施により、彼らにカメラが支給され、そして、撮影技術についての基本的な技術を身に付けてから、多くの独特の写真を撮っています。写真のテーマは日常生活です。ザオ族の人々の撮影技術を指導したベトナム民俗学博物館のスタッフボー・マイ・フォンさんは次のように語っています。
(テープ)
「一人は平均写真7百枚を撮りました。しかし、すべての写真でなく、最も美しい写真しか紹介していません。地元の住民はカメラを初めて使っていましたが、多くの人々が美しい写真を撮りました。」
フン このように語ったフォンさんは「ナムブン村の人々が撮影した写真を見て、本当に驚いた」と明らかにしました。これらの写真を通じて、身の周りの物事に対するナムブン村の人々の気持ちと感情を理解できましたね
ホアイ そうですね。テーマは日常生活ですが、写真になると、意味ある物になりますね。
フン そうですね、先ほどのフォンさんは次のように語っています。
(テープ)
「実際、私たちの目で見てあまり美しくない写真であっても地元の人々にとって美しい写真であることもあります。その写真は彼らにとって意味深があるからです。例えば、田植えをモチーフにした写真を通じて、ザオ族の田植えと他の民族の田植えとの違いを表現しています」
フン フォンさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。ホアイさん。
ホアイ。 そうですね。
フン では話を続けましょう。ナムブン村の一人であるリー・ティ・リュさんは今年18歳です。彼女はザオ族の野良仕事をモチーフにたくさんの写真を撮りました。それぞれの写真はベトナム北西部の生活と人々を物語っています。リュさんは次のように話しています。
(テープ)
「私は写真をたくさん撮りました。ザオ族の田植えや薬草の採り方などを撮影しました。私の村の田植え方法は他の村と違います。他の村では田植えの時、まっすぐな列に植えられてますが、私の村の田植えには列がありません」
フン リュさんの話でした。一方、ナムブン村のバン・ティ・ザンさんは村人が田植えや家の建築にあたり、互いに助け合う様子をテーマにした写真を撮りました。ザンさんの話です。
(テープ)
「他の地方と違って、私の村の人々はよく互いに助け合っています。他の地方は田植えや家の建築に人を雇いますが、私たちの村人は雇うことなく、互いに助け合っています。大勢の人々が共同で仕事をする時、伝統的民族衣装を着ますが、野良仕事の時は簡単な衣服です。」
フン このように語ったザンさんはザオ族の女性が刺繍をしている様子が気に入り、写真をたくさん撮影しました。ザオ族の女性たちが野良仕事を終えると、よく刺繍をしています。家の軒先で熱心に刺繍をしている姿のシャッターを切りました。ザンさんは次のように語りました。
(テープ)
「女性が刺繍をしている姿を見て、これは美しい光景だと思い、撮影しました。そうすれば、他の人々もその美しい光景を鑑賞できます。ザオ族とモン族の刺繍の仕方が違っていることもわかります」
フン ザンさんの話でした。ナムブン村の人々が撮影した写真はいずれも自分たちの民族の生産方法や日常生活を表現していますね。
ホアイ そうですね。写真撮影を通じて、地元の人々は身の回りの生活に対する新しい見方ができるようになり、自らの民族の伝統文化の維持、保存に対する意識を高めることにもなりますね。
フン そうですね。これらの写真を通じて、ナムブン村の人々は心からの願いを表現していると思います。最も美しい写真は今月19日ハノイで開幕する各民族の文化祭りに紹介されますから、ぜひ見て来たいと思っています。
ホアイ そうですね。ではおしまいに、歌を一曲お送りして、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。フンさん。
ホアイ: をどうぞ。
フン。リスナーのみなさん。今日のこの時間はイエンバイ省のナムブン村に住む少数民族ザオ族が自分たちで撮った写真を通じて、生活を物語る様子をご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう