ハイフォンの伝統的民謡ハット・ドゥム( Hat dum)

(VOVWORLD) -ハイフォン市は中央直轄都市であり、ベトナム北部の最大の港湾都市です。この市は経済、文化、医療などの面において、北部沿海地帯の中心地でもあります。

ホアイ  こんにちは、ホアイです。

ソン  こんにちはソンです。今日のこの時間は北部港湾都市ハイフォンの伝統的民謡ハット・ドゥム( Hat dum) についてお伝えします。

ホアイ  そうですね。その前に、ハイフォン市について簡単にご紹介しましょうか。

ソン  はい。ハイフォン市は北部沿海地帯にあり、北と東北はクアンニン省、西北はハイズオン省、西南はタイビン省、東はベトナム東部海域に接しています。ハイフォン市の海岸線は125キロです。

ハイフォンの伝統的民謡ハット・ドゥム( Hat dum)  - ảnh 1

ホアイ  ハイフォン市は中央直轄都市であり、ベトナム北部の最大の港湾都市です。この市は経済、文化、医療などの面において、北部沿海地帯の中心地でもあります。

ソン  ハイフォン市は北部でハノイに次いで、2番目の最大都市です。海に面しているハイフォン市の人口は2016年12月現在、およそ196万3000人で、ハノイとホーチミン市に次いで、全国で人口が3番目に多い都市です。

ホアイ  このようなハイフォン市は経済面だけでなく、美しい風景にも恵まれています。また、ハイフォン市は伝統的文化を豊富に保存していますね。

ソン  そうですね。ハットドゥムはハイフォン市トゥイグェン県の独特な文化の一つです。ハットドゥムはハットノイ( hat noi) 、ハットモーマット( hat mo mat)などの別名もあります。

ホアイ  ハットドゥムは生産活動の中で生まれ、海辺に住む人々の独特な文化を示しています。先ごろ、ハットドゥムが国家の無形文化遺産のリストに入りました。

ソン  史書によりますと、ハットドゥムは北部ホン河デルタでよく歌われる伝統的民謡ハットビーから、13世紀ごろに生まれたものです。そうした中、ハイフォン市トゥイグェン県はハットドゥムの発祥地とされています。

ホアイ 文化研究者によりますと、ハットドゥムはトゥイグェン県の昔の女性が黒いスカーフで顔を隠すという習慣と密接に結び付いているものです。

ソン  塩分が多い海の風と強い日差しから肌を守るため、昔、トゥイグェン県の女性たちは黒いスカーフで顔を保護してきたと理由ですね。

ホアイ  これは徐々に習慣になってきました。唯一顔を隠さない時は村祭りで、男女が歌垣でハットドゥムを歌う時でした。

ソン  そんな理由で、ハットドゥムが顔を隠さないという意味のハット・モー・マット( hat mo mat)とも呼ばれるのですね。

ホアイ そうですね。昔の人々は田畑で仕事をする時、海で漁をする時、または、春祭りに行った時、いつも、ハットドゥムを歌いました。

ソン  その中で、空にある星や月、川に生息している魚、エビ、日常生活に使っている家具などについて歌を歌いましたが、これらを通じて、楽観的な精神を示しました。昔、ハットドゥムは2つのパフォーマンスの形式により行われました。これは男性、または、女性だけが歌うということと、男女のグループに分かれ、かけあいをしながら歌うということです。

ホアイ  男女のグループのかけあいの歌は北部バクニン省の民謡クアンホ、中部ゲアン省のビーザム、フート省のスアン民謡と同じです。現在、ハットドゥムが昔の伝統を維持しています。トゥイグェン県文化情報センターのフン・バン・マイン( Phung Van Manh) センター長は次のように語りました。

(テープ)

「ハットドゥムには挨拶の歌、祝い歌、恋愛の歌の他、労働を歌う歌、森林にある木々、河にいる魚、星などを歌う歌もあります。これらは歌垣で歌われています。これを通じて、昔の人々の頭がとても良かったということが分かりました。」

ハイフォンの伝統的民謡ハット・ドゥム( Hat dum)  - ảnh 2

ホアイ  ベトナムの他の民間芸能と同様、ハットドゥムは多くの浮き沈みを経てきました。現代の生活に若者たちのほとんどはこの民謡に興味を持っていませんね。

ソン  そうです。しかし、近年、トゥイグェン県の行政当局はこの伝統的民謡の復活に力を入れてきました。同県はハットドゥムが歌われる4つの春祭りを復活すると共に、若者にハットドゥムを教えるためのクラブを結成しました。4年間にわたり、ハットドゥムクラブに参加した中学校3年生のディン・ティ・イエン( Dinh Thi Yen) ちゃんは次のように語りました。

(テープ)

「両親がハットドゥムは故郷の伝統的文化と言うので、このクラブに参加しました。初めは恥ずかしくて、歌えなかったけど、芸人の指導で少しずつ歌えるようになりました。ハットドゥムは面白いと思っています」

ソン  ハイフォン市民間文芸協会のグェン・ドゥク・ザン会長によりますと、現在、ハットドゥムはハイフォン市の各地方だけでなく、東北部クアンニン省、ホン河デルタにあるタイビン省でも復活されています。

ホアイ  トゥイグェン県を始め、ハイフォン市で毎年行われている春祭りでハットドゥムが歌われています。これはこの民謡に対する地元の人々の愛の表れですね。

ソン  そうですね。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。今日のハノイ便はハイフォンの伝統的民謡ハット・ドゥム( Hat dum) についてお伝えしました。それでは今日はこの辺で。


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